■ ページ43
宏太-side.
＊
病室のベッドの上で眠る侑李と、その周りでベッドに突っ伏して眠る小さなふたつの背中。
その背中にそっと上着をかけて俺は病室を出た。
光｢おう。双子は？｣
宏｢……寝た。
あいつらも疲れたんだろ、もうこんな時間だしな｣
光｢良い子は寝る時間か…そりゃしょうがない｣
宏｢………迷惑かけた…｣
光｢それ本気で言ってんなら殴るからな｣
宏｢……すぐ手が出るなお前は｣
軽く睨みを効かす光が渡してきた缶コーヒーを手に、俺は廊下の壁に背を預けて座り込んだ。
……侑李熱が高いのは珍しい事じゃなかった。
その度になんとか乗り越えてきていたから、多分油断した。
ぽろぽろ零れていた涙が止まって、熱の高さで唸っていた声が次第に小さくなって……ぼんやりと焦点の合わなくなった侑李。
呼吸音が途端に静かになって、どう考えても異常事態だと思った俺は救急車を呼んで震える手で光に電話を掛けていた。
光｢脱水症状だろ？
侑李は熱が出るとなんにも口に出来ないもんなあ…｣
宏｢俺がちゃんと看てなかったから……｣
光｢お前だけの責任じゃないだろ。
何も食べられない、飲めないのは侑李の課題だよ｣
宏｢………でも、｣
それでも、俺は傍に居たんだ。
どうにかして水分を摂らせてやれば良かったのに……
光｢あーもう、クヨクヨすんな！
ホントに薮か？キャラ違いはお前の方だぞ｣
宏｢……人がこんなに悩んでんのに｣
光｢悩んだってどうしようもないだろ。
そういうのは直接本人に言うのが一番良いんだよ。
……ってことで、ほら早く行け｣
ぐっと光に腕を引かれ重い腰を持ち上げると、乱暴に背中をたたかれた。
宏｢いてぇ｣
光｢家族のことは家族が一番分かるだろ。
俺はお邪魔だろうからその辺ふらついてる。
呼んでくれたら双子の回収してやるよー｣
ひらり、缶コーヒー片手に手を振った光。
ただの幼馴染み。
でも、唯一俺が情けないところを見せられるやつ。
いつだって光は俺の背中を押してくれる。
宏｢……ありがとう｣
小さくなる後ろ姿に声を掛けて、俺は病室の戸を開けた。
＊
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hs07810___lx(プロフ) - 2のパスワードがわからないです😭数字ってなんでしょうか (8月2日 13時) (
レス) @page50 id: ee8e4e6178 (このIDを非表示/違反報告)
のぞみん - リクエストって受け付けてますか？ (2022年4月17日 22時) (レス) id: e9f6dca195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tom | 作成日時：2022年1月30日 16時
