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＊
日の落ちる時間が早くなり始めた季節。
俺は侑李の病室の扉をノックしてそっと開けた。
ベッドの上に横たわる侑李は、俺に気付いていないのか窓の外をじっと見ているようだった。
涼｢侑李｣
侑｢…ぁ、りょうすけ…｣
振り向いた侑李の口元には酸素マスクが常時着けられている。
話し辛そうにする侑李の声は酸素マスクのせいでこもって聞こえ、話す度にマスクが白く霞んだ。
侑｢また、きたの……？｣
涼｢毎日来るって言ったろ｣
侑｢…でも、ぶかつ……あるでしょ｣
涼｢大丈夫だよ。
なに、侑李は俺が来るの嫌なの｣
意地悪だと分かりつつも言ってしまった言葉に、侑李は眉を下げて｢ばか｣と小さな声で呟いた。
少し前、リハビリを終えた俺は退院した。
それと同時に侑李の病状は悪化し酸素マスクが欠かせなくなり、ベッドから体を起こすことも難しくなっていた。
退院してからも俺は欠かさず侑李の見舞いへ来ていて、その度に侑李は嬉しいのか悲しいのか複雑そうに笑っている。
涼｢さっき、何見てたの｣
侑｢………あの、丘…｣
涼｢丘？｣
ゆっくりと力なく侑李が指さしたのは窓の外に見える海沿いにある丘。
侑｢りょーすけは、行った…こと……ある？｣
涼｢んー…多分ない｣
侑｢……あの丘、から……うみ…っ、｣
涼｢…侑李？｣
侑｢ぅ……っ、ん…｣
丘を指さしていた手を胸に強く押し当てて、苦しそうな呼吸が聞こえてきて俺は慌ててナースコールを押した。
涼｢侑李。大丈夫、大丈夫だからな……っ｣
侑｢ぁ……っ、ぅう……ッはぁ、はぁ｣
涙を流して必死に息をしようとする侑李の手を握ることしか出来ない自分が悔しい。
看護師が駆けつけて処置をしてくれている間も俺はただ傍にいて発作が落ち着いていくのを見ているだけ。
あの日、天使のようだった侑李に俺は救われたのに
俺には侑李を救うことが出来ない。
涼｢………ごめんな……｣
思わず落ちた謝罪の言葉は誰にも拾われることも無く騒がしい病室に消えていった。
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hs07810___lx(プロフ) - 2のパスワードがわからないです😭数字ってなんでしょうか (8月2日 13時) (
レス) @page50 id: ee8e4e6178 (このIDを非表示/違反報告)
のぞみん - リクエストって受け付けてますか？ (2022年4月17日 22時) (レス) id: e9f6dca195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tom | 作成日時：2022年1月30日 16時
