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もう何十回と繰り返したFBIとの合同捜査でも少しだけ進展があった。
まだ組織でも下っ端、コードネームすらない組織のメンバーだが取引の現場をおさえることができた。
現場にいたのは約十数名だったが、まだ組織への忠誠心というものがないのか事情聴取で2名の組織幹部の名前を吐いた。
そのまま芋ずる式に30名の一斉逮捕に至ったのである。
黒の組織は世界各国に大勢のメンバーがいて、たった数十名の逮捕ではあるが多少の影響はあるはずだ。
「降谷君」
「.......赤井」
「Aを知らないか?」
合同捜査の度にこいつと顔を合わせなければならないのが不快である。
それになんだ。Aさんを呼び捨てにしやがって。
組織にいた時にバディを組むくらいの師弟関係であったことは知っている。
そして、赤井がAさんに好意を抱いていることも。
「さあ。知りませんけど?伝言なら預かりますけが?」
「いや、構わん。」
スタスタと僕の横を通り過ぎる赤井を横目で少し睨む。
「あぁ、降谷君に言いたいことがあったんだ。」
「.......なんです?」
思い出したかのように振り向く赤井に思わず顔を顰める。
あまりここに長居すると資料を取りに行った僕をAさんが心配してこの廊下まで来てしまう可能がある。
「俺も珍しく本気なんだ。邪魔はしないでくれるか?」
何を、とは言わなかった。
赤井は挑発的な笑みを浮かべて此方を見た。
僕もそれに応えるかのような笑み浮かべた。
「それは、お互い様でしょう?」
僕と赤井は背を向けてこの場を後にした。
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます! (2020年6月8日 10時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 108話に誤字がありました。「芋ずる式」ではなく、「芋づる式」です。 (2019年8月3日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コハル | 作成日時:2019年7月13日 20時