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Aside
『はぁああああ.......』
こんなでっかいため息吐く日なんてそうそうない。
脚は打撲くらいで済んだのでよかった。
下手したら骨折だったが、これぐらいですんで幸いだ。
降谷がお姫様抱っこしてくれた時はやばい痩せとけばよかったなんて呑気なこと思って恥ずかしくなったけど、今冷静に考えれば本当に恥ずかしい思いをした。
顔、近かったし。
『いやいやいや、私女子高生かよ』
相手はあの降谷だ。
さらっとこんなことを当たり前のようにしているんだろう。
だって私が怪我していることを知っていたし、上司だし、放っておくことが出来なかったのだ。
そういう人だから。
『.......ん、ジンだ』
珍しくジンからの連絡がミスティの方の携帯にある。
『_______ジン?』
「.......あぁ」
『何かあったの?』
「.............最近こっちに来ねぇじゃねえか」
『Webデザイナーも暇じゃないんだよ?』
少し笑って言えば流れる沈黙。
あれ、もしかしてジン私のこと心配してくれて?
『なに、心配した?』
「.......うるせぇ、明日必ず来い」
『はいはい』
ぶつりと一方的に電話を切られる。これもいつものことだけど。
『なんだ、やっぱり心配してたんじゃん』
こういうところが優しいのだ、ジンという人は。
かっとなりやすいし、すぐ人に銃口向けるし、物騒だけど
些細なことでも気づいて心配してくれる。
信頼、されているのだろうか。
だが、私はこの人を裏切らなければならないのだ。
何故なら私は公安の人間だから。
この組織を壊滅させることで多くの人の安全と命が守られる。
たとえ何らかの犠牲があったとしても、それが人の命や物だったとしても、
自分の心に傷を負ったとしても、
私達は組織を壊滅しなければならない。
必ず。
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます! (2020年6月8日 10時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 108話に誤字がありました。「芋ずる式」ではなく、「芋づる式」です。 (2019年8月3日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コハル | 作成日時:2019年7月13日 20時