【文スト】 小さなマフィアと小さな恋 【中原中也】

小さなマフィアと 13 ページ15

『はぁ、もう、どうすればいいのぉー』



接吻されて嫌だったわけではない……………………決して、

ただ、単純に驚いただけで、


今日、謝ろうとも思っていた。でも、


「……さん……朱宮さん」




そう、昨日まで名前呼びだったのに、急に、


ね、苗字で呼ばれてさ……………………



「朱宮さんっ」

『ふぁぁ、ひっ、樋口ちゃん』


自分のことで手いっぱいで気付けなかったんだろう。

私の後には樋口ちゃんが立っていた。


「大丈夫ですか？

……………………もしかして、中原幹部と何かありました？」


エスパーか？


『う、うん、まあね、』


私は樋口ちゃんに事の次第と、自分の心情を話した。



「えっと、朱宮さんは、中原幹部のこと

嫌いなわけじゃないんですよね、」


『……うん、』


改めて聞かれると、

なんだか少し恥ずかしくなる。



『どうすればいいと思う？』


私はそう問いかける。


「んー、そうですね、」


室内に数秒間の沈黙が続く。



「あっ、そうです、こんなのはどうでしょう…………………………………………」


『わっ、私がやるの⁉』


「朱宮さん以外誰がやるんですか、

兎に角、頑張ってくださいね、応援してます！」



そう言って樋口ちゃんは、笑顔で部屋を後にした。

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