鈴の音【十二大戦】 (ページ3)

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｢お、君達は｣

マンホールを閉めて、夜の街をつかつかと歩いていれば上空から声がした。
1人はふわりと着地したが、1人は浮いたまま。

んー、あぁ！噂の断罪兄弟やっけ？

辰｢お前、さっきのはどういうつもりだよ｣

｢...さっきの？｣

現れて名乗りもせずに用件とは。躾のなってない奴らや。

巳｢俺のこと、助けただろ｣

｢あぁ、あれ｣

一番乗りに来た俺は上の方に隠れてたんだけど、憂城が巳のほうを殺そうとしてたから助けた。

まぁ剣を飛ばしただけで、そこからは牛が仲裁？に入ってくれたんだけど。

憂城は俺に気付いてたらしく、じっと見つめて来たから降りたけどね。

｢特に意味は無いで？説明も無しに無駄な殺しは不要や思って｣

へらへらと笑って見せれば、二人はにまぁと笑う。

巳｢お前、馬鹿だな！敵は少ない方が良いのによぉ！｣

辰のほうも着地して、俺の後ろへ回り込む。
やべ、後ろは。

なんて思ってたらぎゅっと抱き着かれた。
殺意はない、多分敵意も今はない。

｢はぁ...油断させて殺す、寝子｣

辰｢遊ぶ金欲しさに殺す、断罪兄弟・兄｣

巳｢遊ぶ金欲しさに殺す、断罪兄弟・弟｣

...そう紹介されては、なんて呼べばいいのか分からん。

｢なんて呼べばええの？兄？弟？｣

そう聞けば、また二人は爆笑する。なんや、分からん。現役の男子高校生よりもわけわからん頭しとる。

巳｢あんたやっぱおもしれぇ！敵同士なのに友達かっつーの！｣

辰｢ほんっとおもしれぇ！名前でいーって、俺長幸｣

巳｢俺は剛保！お前は？｣

｢え、寝子｣

とぼけたように教えれば、はぁ？と長幸のほうから睨まれる。
今すぐにでも凍らされそう。

｢A｣

辰｢Aな！｣

やはり兄、怖い。