-開幕- ページ1
時は、群雄割拠の戦国時代。
互いが互いを傷つけあい、互いに傷つき合う時代。
そんな世にて、南方の中国地方の出雲国と安芸国はこの日、戦を行っていた。
殺風景な平原に、法螺貝の音が響き渡る。
出雲国第伍代領主・尼子晴久の家臣である陸奥国黒川郡出身の木ノ下琥珀は、黒き馬にまたがりなが
らその音を耳に聞き入れ、手綱を握り出陣をした。
同時刻＿＿＿
一方、安芸国第十二代領主・毛利元就の家臣の相澤きぃと大宮柊は、平原の中心を向きながら口を開けた。
「......大丈夫か？」
「......あぁ」
「何て言えばいいか、わからなくてさ」
「そっか」
きぃがこれほど気落ちしているのは、無理もなかった。
何せ相手は、同じ地の出身で、幼馴染でもある琥珀だったのだ。
ずっと下を向いているきぃに見かねて、柊は別の話題を提起した。
「......屋敷で待ってるAに顔が立たないような戦果は間違っても持ち帰れないぞ」
「わかってるよ、そんなこと」
平原の中心の手前まで来ると、柊は「こっちを攻めにいく」と、手を振りながら右に迂回していった。
「頑張れよー！」
「うん！」
顔を上げたきぃは、柊に手を振り返した。
そして、きぃがようやく平原の中央あたりについたとき＿＿＿＿＿
「......」
「......」
バチッと、前方にいた琥珀と目が合ってしまった。
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琥珀‐KOHAKU-(プロフ) - 感想やアドバイスなど、ご自由にご記入ください！できるだけ返事をいたします。 (2019年10月7日 1時) (
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作者名：琥珀‐KOHAKU- | 作成日時：2019年10月7日 1時
