第13.5話 主人公の過去 ページ15
夜にだけ現れる私は元々普通の人間だった。
至って普通の家庭に生まれ、何不自由なく暮らしてきた。
しかし、中学生になった頃から父が勤めている会社が倒産し、そこから私の生活は一変した。
私は毎日、父に殴られた。所謂、虐待というもの。
母は自分に被害が及ぶ前に、他の男を作り家を出て行った。
娘である私より、自分が助かる道を選んだのだ。
学校に行けば、父のことでイジメを受けていた。
教師たちは「中学を続けるの？」「これからどうするつもり？」などというばかり。
そんなのは今の私が一番知りたいくらいだ。
対処などはしてくれない。それは当然だ・・・生徒とはいっても他人なのだから。
誰も助けてはくれない・・・。
生きることが辛くなった私は、夜中、学校の屋上から飛び降りた。
そのとき、ある少女の顔が脳裏によぎった。
あぁ、これが走馬灯というものか。
“私と一緒に生きよう”
それは私の家庭が変わっても、分け隔てなく仲良くしてくれた友人のAだった。
それでも、私は今の状況に耐えることは出来なかった。
どうせ、これから死ぬんだ。だったら最後くらい、言いたいことを全て言って楽になろう。
そう考えた私はAに本音をぶつけた。
「私だって死にたくないわ。人に愛されたいし、幸せになりたい・・・！」
そう願ったとき、私の身体は光に包まれながら消えた。
そして気が付くとAと一つとなり、昼はA、夜は私となった。
Aは困っている人を助けるのが自分の生きる意味だと言った。
私もAに助けられた一人。彼女のために何か恩返しがしたい。
そう願う私に神は一つの力を与えてくれた。それは困っている人の夢の中に入れるというもの。
そこで出会ったのが真波や新開たち。
私がAと一つになったのも必然で、元から決められたものだと今でもそう思っている。
“私が教えてあげる。運命は自分の手で変えられるってことを”
“人を愛するのがどんなに素晴らしいかってこと、全部を！”
Aには私の持っていないものを持っている。
だから、私はそれを知りたい。
『人に愛されること、幸せというものがどんなものか』
だからこそ、この世界に迷い込んだのかもしれない。
神という存在が本当にいるかはわからないけど、私にとっての神様はA、貴方なのよ。
過去編終了
次回から本編に戻ります。
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曇天に笑う - 更新して欲しい (2017年11月28日 8時) (
レス) id: 9a5180e9be (このIDを非表示/違反報告)
柊黒炎(プロフ) - 曇天に笑う さん» 応援コメントはありがたいのですが、リアルで卒論を抱えている多忙の身の為、更新は不定期になります。誠に申し訳ありません。 (2017年9月4日 20時) (レス) id: 09ba59755e (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - 更新してほしい (2017年9月4日 16時) (レス) id: 9a5180e9be (このIDを非表示/違反報告)
柊黒炎(プロフ) - 曇天に笑うさん» 応援コメントはとても励みになります、ありがとうございます。しかし、今はこの作品は煮詰まってしまい、リアルのほうでもかなり多忙なので暫くは更新出来そうにないです。楽しみにしているのに申し訳ありません。 (2017年7月6日 21時) (レス) id: efc399b360 (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - 更新してくれませんか? (2017年7月6日 20時) (レス) id: 9a5180e9be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊黒炎 | 作成日時：2017年3月18日 23時
