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第6.5話 主人公と冬夜の過去編6 ページ19

「あ、俺の名前を名乗ってなかったね。俺は一条神楽。闇の殺し屋の創立者で、戦闘班の高槻久遠とは親友なんだ。改めてよろしく、天才くん」

「創立者がわざわざ来てくれるなんて光栄です。よろしくお願いします、一条さん。
久遠兄、久遠さんのご友人なんですね。……あと、その呼び方はやめてください」

僕はまだ疑問に思う部分も多々あったが、失礼にならないように返答をする。
久遠兄さんの親友?久遠兄さんから、そんな話を聞いたことは一度も聞いたことはないから本当なんだろうか。
だけど、久遠兄さんはプライベートなことは僕に一切話さないため、一条神楽さんが嘘をついているという確信も持てずにいた。

「あはは、ごめんごめん。でも、その年で既にかなりの吸血鬼を一人で殺しているんだろう?
それだけでも天才だって俺は思うよ」

「失礼ですが、天才といった言葉で片付けるのはやめてくれませんか?それに……僕は天才ではありません。学校の勉強でも成績が良いのは人一倍努力をしているからです。
それは吸血鬼ハンターになった時も同じです。吸血鬼に関する知識、戦い方は一から調べました。
その努力した結果を天才の一言で片づけられるのは非常に不愉快です。
……闇の殺し屋の勧誘は大変有難いのですが、今回は辞退します。
またどこかで再会したときは同じ吸血鬼ハンター同士、共存し合えることを望みます。
それでは、おやすみなさい」

そう言い放ち、さっき一条神楽さんに振り払われた銃を拾い、懐に戻す。
僕はあまりに人を嫌うことはないし、本気で怒ることも滅多にない。

だけど、僕にも地雷というものがある。それは天才という言葉。
僕の父も同じように学校の会長をしていて成績も常に上位を維持していた。
まわりの教師や生徒はそれを天才という言葉一つで片付けたのだ。

父はいつも僕に言っていた。
“他人は過程よりも結果を見る。自分は努力した過程を見てほしいんだ”と。
その言葉を聞いて、僕はたしかに父の言うとおりだと感じた。
過程を見なければその人がどれだけ努力したかなどわからない。
何故、人は皆結果だけを見るのだろうと。

「断られちゃったかぁ〜、まぁそうだよね。僕は無自覚だったけど、如月君が不愉快になるようなことを言ったみたいだもんね、今回の件は無かったことにしよう。
だから今まで通り、戦闘班で頑張るといいよ。……あれ?如月君、制服の肩にゴミがついてるよ。俺がとってあげるね」

「……ありがとうございます」

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設定タグ:吸血鬼 , オリジナル , 男主   
作品ジャンル:SF
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柊黒炎(プロフ) - ユーンさん» ユーンさん、返事が遅くなりましたが応援コメントありがとうございます。更新速度はかなり遅いですが、自分のペースで頑張っていこうと思っていますので最後まで応援よろしくお願いします。 (2017年11月20日 23時) (レス) id: efc399b360 (このIDを非表示/違反報告)
ユーン - 吸血鬼ハンター………かっこよすぎる〜〜〜〜〜!!\(=>д<=)/これからも頑張ってください!! (2017年10月23日 21時) (レス) id: f77b1d313c (このIDを非表示/違反報告)
柊黒炎(プロフ) - すずはver.アニヲタさん» 応援コメントありがとうございます。とても励みになります!更新は不定期にはなりますが、応援よろしくお願いいたします。 (2017年10月9日 17時) (レス) id: 0630f0c510 (このIDを非表示/違反報告)
すずはver.アニヲタ - かっこえぇぇぇ!! 続きがきになるぅぅぅ! (2017年10月9日 15時) (レス) id: 72db204b8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊黒炎 | 作成日時:2017年9月17日 0時

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