１９川上さんと…？ ページ21
俺が一通り話し終わると、伊沢さんは徐に口を開いた。
「そんなことって……」
ありえるのか。
実際に、俺も古和さんから話を聞いたときはそんな気持ちだった。
だが、ありえない話ではない。今の時代、そういう要素がなくとも虐／待というものが存在している。Ｄ／Ｖだってある。ないとは言い切れないのが今の時代だ。
「川上。……だったらなおさら―――」
施設には戻さない方がいい。
それはそうだ。施設に戻すなんてもってのほかだ。
「...あと、何かあれば水上か三守を頼ろうか」
やっとのことで絞りだされたのはそれだった。
水上は医者の卵だ。そして、三守さんは医者だ。あの二人なら、管轄は違えど、何も知らない俺達より数百倍も彼女を救える。
「……そうですね」
俺の返事により、そしてこぐまちゃんが丁度目を覚ましたことによりこの話は幕を下ろした。
「こぐまちゃん、おはよう」
「おはよう、かわかみさん
？ かわかみさんとすごいひと、かなしいかお。どうしたの？」
「ちょっとな、いろいろあったんよ」
「……そっか」
こぐまちゃんは全てを察したかのように、目を伏せた。
嗚呼、この子はどこまで知っとるんやろうか。何を考えているんやろうか。
「なあ、こぐまちゃんは、川上のこと好き？」
ふいに、伊沢さんがそんなことを口にした。
「...うん、好き」
「ぼくも」
熊とこぐまちゃんが答える。
「そうか。よかったなぁ、川上〜〜！！」
そういって何故か、俺の頭をわしゃわしゃと撫でる伊沢さん。
「ちょ、ちょっと！伊沢さん、やめてください！」
「ははっ、お前も成長したなぁ〜〜〜〜」
「……なんですか、急に」
「いやあ、なんでもない」
笑いを含んだ声に不思議と重たい空気は消えてなくなっていった。
切り替えの速そうな伊沢さんだが、実際のところそうではない。
周りを気遣って、全部自分だけで背を追うと、話を打ち切るのが得意なだけだ。
「伊沢さん、俺が料理作るんで、こぐまちゃんと遊んでてください」
少しでも、伊沢さんの負担が減るなら。
俺はなんだってやるつもりだ。だって、そもそもこの件は、俺が全部被る予定のものなんだから。
(伊沢さん。今回くらいは、俺に預けてくださいよ、その荷物)
エプロンを伊沢さんから奪って、俺は台所に立つ。
不思議そうな顔をしてこちらをじっと見つめるこぐまちゃんに、伊沢さんの相手を頼むと、快く引き受けてくれた。
２０こぐまちゃんと…？→←解説（これもしっかり読んでください）
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瑞西（シャラルー☆）(プロフ) - ゆのさん» わわ…っ、ありがとうございます！確かに、主人公ちゃんは可愛らしい（真顔）素敵なパワーをいただけたので、さらに良いものを提供できるよう頑張ります(*´▽｀*) (2019年12月25日 18時) (
レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 主人公が可愛くて、お話も素敵で、情報の管理もしっかりされていてすごいと思います！お話楽しみに待っているので、作者さんのペースで頑張ってください！応援しています(p｀･ω･´q) (2019年12月25日 9時) (レス) id: 6ede61fc28 (このIDを非表示/違反報告)
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