１川上さんと…？ ページ1
「お疲れさまでした〜」
「おー、お疲れ〜！気を付けて帰れよー」
「伊沢さんも、夜更かししないでさっさと寝てくださいよ〜」
「わーてるって。川上こそ、変な奴に襲われんなよ〜」
「はいはい、お先します」
伊沢さんの軽口を右から左へと流して、温かいオフィスから体を出した。
外は、ほうっと息を吐き出せば、白くてほわほわとした空気が上へと上がっていく くらい冷え込んでいる。
(はぁ、寒い。)
生憎、手袋を家に忘れてきてしまった俺は、寂しいけども自身の手を擦り合わせて、暖をとる。
クイズノックのオフィスからは案外家が近くて、こうちゃんや山本たちに比べたら、徒歩で行き来できるので、これくらいは楽勝。
街に灯った色とりどりの明かりをみて、また、ため息。
世間はクリスマスムーブで浮かれモードだけど、俺にはそんな相手はおらず、別世界のような気分。
いつもより煌びやかに見えるショーウィンドウ。そこから覗く温かそうな店内。ちらちらと降る白い雪が、みじめな俺にはお似合いな気もしてきた。
ひゅうっと強く風が吹きつける。肌を刺す冷たい風から身を守るように、首をすくめ、背を丸くする。
遠くに見えるはクリスマスツリー。大きなもみの木が、いろんな飾りつけをされて、輝いている。たくさんの夢をまとった姿に、うっとりと見惚れた。
ぶるると、震えたスマホを、少しかじかんだ手でしっかりと握る。
ぱっとついた画面からは、明日の撮影の司会を代わってくれないかという旨のラインが来ていた。いいですよ、と返事を返せば、可愛らしい熊のスタンプでありがとうと、伝えてきた。女子顔負けの女子力をこんなところで発揮すな、と心の中で福良さんに突っ込んでから、止めていた歩みを再び進めた。
少し歩いた所で街灯がちかちかと点滅しているのが目に入った。
こんな真冬だから、誰も交換しに来んのかな？なんてぼんやりと考えながら、その下を通り過ぎる。……いや、通り過ぎようとした。
あと一歩で街灯の真下という所で、足元にいる物体に気が付いたのだ。
遠目から見た時は積もった雪と同じ色でわからなかったが、そこには確かに人がいた。
そこそこ人通りの多いこの道で、この人は何をやっているのだろうか、一度気になったらその好奇心は止められなかった。
傍目も気にせずしゃがみ込み、電柱に持たれかかっている人間に目を向ける。
覗き込んだ顔からは正直、生存確認が不可能なほど息をしている様子はなかった。
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瑞西（シャラルー☆）(プロフ) - ゆのさん» わわ…っ、ありがとうございます！確かに、主人公ちゃんは可愛らしい（真顔）素敵なパワーをいただけたので、さらに良いものを提供できるよう頑張ります(*´▽｀*) (2019年12月25日 18時) (
レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 主人公が可愛くて、お話も素敵で、情報の管理もしっかりされていてすごいと思います！お話楽しみに待っているので、作者さんのペースで頑張ってください！応援しています(p｀･ω･´q) (2019年12月25日 9時) (レス) id: 6ede61fc28 (このIDを非表示/違反報告)
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