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第六十五訓 ページ39

パトカーを停めている場所へつくと、丁度土方が車に乗り込みエンジンをかける所だった。
間に合ってよかった、とAはその車の助手席の扉をあけ乗り込んだ。

「はっ!?お前何してんだ!!」

急に現れたAに土方は狼狽えた。

「早く出しなんし、間に合わなくなるぞ」

急かすようにAは困惑する土方の背中を叩いた。
チッと舌打ちをすると、車は動き出した。

「A、お前何で来た」

サイレンを激しく鳴らしながら車は夜の街を走る。残像のように流れる街並みを見ながら、Aは先日みた土方とミツバのことを思い出した。

「本当に不器用な男じゃな」

Aはただそれだけを告げた。
土方も自分が何の目的で、誰にも言わず粛清に向かおうとしたのか、勘のいいAには気づかれているんだろうということを察した。
そこからは2人が言葉を交わすこともなかった。

港から少し離れた所に車を停めると、2人は転海屋が取引をしている場所へと向かった。
静かだった港だが、目的の場所へ近づいていくと音が聞こえる。山崎の報告は当たりだったようだ。

コンテナの物陰に隠れ、この取引の主犯である蔵場の姿を確認した。

「俺がアイツに行く、お前は回りの奴らを頼む」

「任せなんし」

2人は目を合わせうなずくと、土方はコンテナの上へ一気に上った。

「転海屋、蔵場当馬だな。御用改めである。」

土方が蔵場へ刀を向けたのを確認すると、名前)は当たりを見回した。土方の背後にあった足場に銃を構えた浪人がいるのが見えた。
引き金を引く直前、Aはその浪人へと斬りかかった。それと同時に周囲から多数の浪人が飛び出してきた。敵の数は多く、どこから集めたのかと思うほどだった。

武器の取引をしているだけあり、刀だけでなく銃などの飛び道具も多数装備する彼らを相手にするのは厳しいものがあった。
土方もAもいくつもの傷を受けながら、必死で戦った。

敵を斬り、蹴散らし、どれぐらい倒したかもう分からない。自分のか敵のかわからない血を浴びた頃、ひと際響く銃声が聞こえた。

Aがその音に振り向くと、足から血を流し座り込む土方の姿があった。

「……土方っ!!!」

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黄羅(プロフ) - ななさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてうれしいです!そしてご指摘もありがとうございます。区切りの良い所まで行ったら設定を大幅に変えようか検討中です。その際にはお知らせ致しますので、これからも見て頂けたら幸いです! (2021年2月5日 5時) (レス) id: 3f33cf0222 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 楽しんでいつも見てます!高杉との絡みがあって嬉しいです! ただ月詠口調がやりすぎじゃないかなって気になりました。 (2021年2月5日 4時) (レス) id: becceb0046 (このIDを非表示/違反報告)
ユウカ - 更新楽しみに待ってます! (2015年3月12日 14時) (レス) id: a76acd2a98 (このIDを非表示/違反報告)
桃果銀魂LOVE(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます♪ (2015年1月24日 8時) (レス) id: 3c29a828b5 (このIDを非表示/違反報告)
ミシェル(プロフ) - 続きィィイイ〜!!見たい〜!!一国傾城篇とか!! (2015年1月2日 1時) (携帯から) (レス) id: eac2cfa6e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黄羅 | 作成日時:2013年7月30日 20時

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