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第六十二訓 ページ36

いつものように副長室へ行くと、なぜかそこには土方の他に山崎がいた。

「…何かあったのか?」

山崎が副長室にいる時は大体何かの報告の時だった。最近張っているヤマはない。ならば、何かが起きたしか考えられない。

山崎は罰が悪そうな顔をして土方の方を見る。Aも追うように土方へと視線を向けた。

煙草の煙をふぅと吐くと、静かに告げた。

「武器の密輸が判明した。だが小さいモンだ。A、お前は気にしなくていい。」

関わるな、という風に言われると余計に関わりたくなる、何か裏があると思ってしまうのは人間の性である。
Aも当然同じであり、土方に食いついた。

「今は何も無いしわっちも暇している。1人より2人の方がよっぽど効率がいいじゃろう。
それにこの間…柳生家と面倒事起こした主らの尻拭いをしたのは誰だと思って?」

Aが話す柳生家との揉め事。それが起こったのは遠くない日のことだった。
新八の姉が柳生家に嫁ぐことになったが、それは半ば無理矢理の様なもの。
彼女を取り戻すため向かった万事屋、近藤に、借りがあると言って向かった土方、面白そうだと参加した総悟…
真選組のトップが揃いも揃ってその日は不在、有給を取ったり無断で行った彼等の仕事をしたのは、Aだった。
そして怪我をして帰ってきたため、その後数日間は休養に入り、その間もAは身を粉にして働いていた。

土方もその日のことは悪いと思っているようで、引き合いにだされると強くでれなかった。

「…分かったよ。ただ、くれぐれも内密にしてくれ」

Aは頷くと、その件についての資料を手に取った。
蔵場当馬
それが武器密輸を指揮する人物だった。



その日はいつもの仕事をしつつ密輸についての情報を集めた。
1日中土方と行動を共にしており、おそらく今日最後の仕事になるであろう夜の見回りを、山崎も加え3人でしていた。

ある屋敷の前に、数人の影が見える。
夜遅くに集まる若者か、酔っ払いか、なんなのかは分からないが、声をかけるためパトカーで近づいた。

「おい、お前達。そこでなにをしてい、る…」

扉を開けた土方が声をかけた。しかし、その声は途中で止まってしまった。
集まっていた者達の声も、静かになった。
なんだと思いAも車から降りると、そこにはミツバ、そして銀時がいた。
本当になんなんだ、と怪訝に思っていると、小さな声が聞こえた。

「十四郎、さん…っゲホッゲホッ」

ミツバはそう言うと咳き込み、倒れた。

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黄羅(プロフ) - ななさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてうれしいです!そしてご指摘もありがとうございます。区切りの良い所まで行ったら設定を大幅に変えようか検討中です。その際にはお知らせ致しますので、これからも見て頂けたら幸いです! (2021年2月5日 5時) (レス) id: 3f33cf0222 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 楽しんでいつも見てます!高杉との絡みがあって嬉しいです! ただ月詠口調がやりすぎじゃないかなって気になりました。 (2021年2月5日 4時) (レス) id: becceb0046 (このIDを非表示/違反報告)
ユウカ - 更新楽しみに待ってます! (2015年3月12日 14時) (レス) id: a76acd2a98 (このIDを非表示/違反報告)
桃果銀魂LOVE(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます♪ (2015年1月24日 8時) (レス) id: 3c29a828b5 (このIDを非表示/違反報告)
ミシェル(プロフ) - 続きィィイイ〜!!見たい〜!!一国傾城篇とか!! (2015年1月2日 1時) (携帯から) (レス) id: eac2cfa6e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黄羅 | 作成日時:2013年7月30日 20時

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