第六十訓 ページ34
場所は変わり、遥か上空。
遠くなる地上を見つめ煙管を吹かしながら、高杉は遠い昔の事を思い出していた。
それは戦争中。
敵に囲まれた高杉とAは互いに背を預けていた。
「…晋助、わっち達が離れることはあると思うか」
「愚問だな、ねェよ」
「もし、もし敵になってしまったら…」
「そん時は決まってる。俺を斬るのはお前で、お前を斬るのは俺だ」
不敵に笑う高杉を横目でみると、無表情だったAも笑みを浮かべた。
「…そうだな」
Aのその言葉を最後に、2人は天人達へ向かって駆け出した。
その日は、仲間の中に内通者がいたことが判明したすぐ後の戦だった。
Aが高杉を、仲間達を裏切るなんて有り得ないし、逆も然り。
ただ、敵対せざるを得ない状況が来たら、自分たちはどうするのか分からなかった。
曇る心を晴らしたのは、高杉のいつもと変わらない強気な言葉だった。
「有り得ないと思ってたんだがなァ」
まさか昔言っていたことが、本当になってしまうとは高杉もAも思ってはいなかっただろう。
しかし、2人は今回の件で、対峙してしまった。
2人の間に線引きがはっきりと引かれてしまった。
それでも愉しげに笑う高杉からは余裕が見て取れた。
「必ず…」
煙管の葉を海へ落とすと、羽織を靡かせ船の中へと入っていった。
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お久しぶりです。
この小説を覚えてくださっている方はいらっしゃるのでしょうか。
黄羅です。こう名乗るのもすごく久しい気がします。
ここ3年程は別サイトでほかの小説を執筆していました。
その間も占ツクから通知がきて、お気に入り追加や評価してくださる方、見てくださっている方がいて本当に嬉しかったです。
アニメ銀魂最後の映画が公開されるこのタイミングで、久しぶりにこの小説を読み直しました。
読み直すと恥ずかしい所も多々ありますが、それでもはじめて書いたこの小説を区切りのいい所まで書き終えたい!と思い、今回書きました。
紅桜篇、完結です。
この後のことは未定ですが、長編話をいくつかやりつつ、だいぶすっ飛ばしにはなってしまいますがなんとか完結させたいと思います。
それがいつになるか分かりませんが、見てくださる方がいましたら長い目で見守っていただけると嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
2021.01.14 黄羅
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黄羅(プロフ) - ななさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてうれしいです!そしてご指摘もありがとうございます。区切りの良い所まで行ったら設定を大幅に変えようか検討中です。その際にはお知らせ致しますので、これからも見て頂けたら幸いです! (2021年2月5日 5時) (レス) id: 3f33cf0222 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 楽しんでいつも見てます!高杉との絡みがあって嬉しいです! ただ月詠口調がやりすぎじゃないかなって気になりました。 (2021年2月5日 4時) (レス) id: becceb0046 (このIDを非表示/違反報告)
ユウカ - 更新楽しみに待ってます! (2015年3月12日 14時) (レス) id: a76acd2a98 (このIDを非表示/違反報告)
桃果銀魂LOVE(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます♪ (2015年1月24日 8時) (レス) id: 3c29a828b5 (このIDを非表示/違反報告)
ミシェル(プロフ) - 続きィィイイ〜!!見たい〜!!一国傾城篇とか!! (2015年1月2日 1時) (携帯から) (レス) id: eac2cfa6e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄羅 | 作成日時:2013年7月30日 20時