第五十六訓 ページ29
刀を合わせ、均衡が保たれている
はずだった
A「チッ!」
Aが高杉の刀に突き飛ばされた
力では、高杉が有利だった
体制を立て直すと、高杉に斬りかかる
高杉も負けずと斬りかかってくる
どちらが引くわけでもなく、その斬り合いは続けられた
高「A、お前は今笑ってる
斬り合いながら、だ」
その言葉を振り払うようにまたAは斬りかかる
ギリッ
それを受け止めると高杉はAの刀を掴み、自らの方に引き寄せた
高杉との距離が一瞬にして縮まったAは、じっと高杉の目を見つめた
高「真選組に入ってから、いや…
幕府についてから、何人斬った」
Aは高杉の言おうとしていることが分かると、刀を持つ手に力を込めた
高「お前は俺と居るべきだ
そうすれば、お前のその斬りたいという欲求が溜まることはねェ」
Aは肩を僅かに震わせた
高「俺と来い、A」
目を伏せていたAが高杉と目を合わせたその時
ドォォォン!
爆発音が鳴り響いた
それと同時に、船が大きく鳴り響く
A達がいる場所の天井にも、ヒビが入っていた
舌打ちを1つすると、Aは高杉から距離を取った
A「何度言われても、答えは変わらん
わっちは、あの場所で護りたいものを見つけたんじゃ…」
Aの脳裏には、万事屋、妙、そして真選組の姿が描かれた
A「晋助・・・ わっちは・・・」
ドォォン
また、爆音が響く
これ以上この場にいるのは危険だと判断したA
言いかけた言葉を飲み込んだ
その時、外からさらに大きな音が聞こえた
どうやら、乱戦がはじまったようだ
「ホチャァァァァァ!!」
神楽であろう声が聞こえると、Aは思わずそちらを見た
それと同時に
ガラガラ!
屋根が崩れだした
引き上げようとするAの背に声がかかる
高「A、お前はいつか、俺のもとに戻るしかねぇ時が来る」
その言葉を聞いてAは後ろを振り向きそうになる
が、駄目だととどまり、走り出した
神楽達の声がする方へ
その背中を見ていた高杉
高「・・・」
昔のことを思い出すような眼をする
高「ハッ・・・
アレが、本当になったかァ」
煙管を吹かしながら、1人薄く笑う
高杉もそこから背を向けた
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黄羅(プロフ) - ななさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてうれしいです!そしてご指摘もありがとうございます。区切りの良い所まで行ったら設定を大幅に変えようか検討中です。その際にはお知らせ致しますので、これからも見て頂けたら幸いです! (2021年2月5日 5時) (レス) id: 3f33cf0222 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 楽しんでいつも見てます!高杉との絡みがあって嬉しいです! ただ月詠口調がやりすぎじゃないかなって気になりました。 (2021年2月5日 4時) (レス) id: becceb0046 (このIDを非表示/違反報告)
ユウカ - 更新楽しみに待ってます! (2015年3月12日 14時) (レス) id: a76acd2a98 (このIDを非表示/違反報告)
桃果銀魂LOVE(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます♪ (2015年1月24日 8時) (レス) id: 3c29a828b5 (このIDを非表示/違反報告)
ミシェル(プロフ) - 続きィィイイ〜!!見たい〜!!一国傾城篇とか!! (2015年1月2日 1時) (携帯から) (レス) id: eac2cfa6e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄羅 | 作成日時:2013年7月30日 20時