【銀魂】 〜黄金の舞姫〜 第二章

第五十七訓 ページ30

神楽たちの声のする方へ向かうA

背後から大きな音がし、思わず振り返ると
先ほど待ていた場所が崩れていっていた

少し目を伏せたが、再び走り出す

その途中、上から刀がぶつかり合う音が聞こえた

バッと上を見上げると、そこには銀時と指名手配犯の男――岡田似蔵がいた

激しく刀を突き合わせる２人

しばらく見入っていたAだったが、意識を戻すとまた走る

甲板に出ると乱戦だった
すばやく当たりを見回すとエリザベスの姿があった

「エリザベス！！」

エリザベスもAの姿を見ると、こちらへ寄って来た

A「神楽達は！？」

[あっち！！]

船の中をさした

礼を言うと、敵を斬りながらも進んでいった

そこで目にしたのは、激しく暴走する岡田の姿と、岡田に持ち上げられ気を失っている銀時、そしてそんな岡田に刀を突き刺す神楽たちの姿だった

だがそれも虚しく、岡田は暴れ、神楽たちを吹き飛ばしそうになる

まずいと思ったAはいそいで刀や苦無を投げる

しかしそれに怯んだのも一瞬で、また暴れた岡田は神楽たちを吹き飛ばした

そして、倒れた鉄子に刀を振り下した

その力に、砂埃が舞った

視界が晴れたとき見えたのは、血をながす鉄矢の姿だった

妹を、庇ったのだった

涙を流し兄を抱きしめる妹

「いらないものは捨ててきた… だが、お前だけは捨てられなかった…鉄子…」

更に涙を流す鉄子

その時、ゆっくりと銀時が立ち上がった



「余計なもの…？ ただ背負う覚悟がねぇだけだ
　そんなので職人だなんだ格好つけてんじゃねェ」


ゆっくりと刀を構える


「見とけ… てめぇの言う余計なもんがどれだけの力を持っているか…
　しかとその目ん玉に焼き付けな」



似蔵を見据えるその瞳には、強い光が宿っていた

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