05 ページ5
・
・
右手でそっと前髪をかき上げたら、ﾚﾘｲの唇がわずかに開いた。
ゆっくりと顔を近づけると、甘いコロンの香りが心地良く俺を包む。
きっと、この先しばらくは、この香りをかいだらﾚﾘｲを思い出す。
甘い香りと黒真珠の瞳。俺の記憶が続く限り、きっとﾚﾘｲを思い出す――
ﾚﾘｲの額の光は、サンゴ色を通り越して、扇情的なピンク色へと変化した。
・
ごめんね。
・
もう一度心の中で繰り返してから
唇を、ピンクのおでこにそっと押し当てた。
・
何が……と、言葉ではいい難い「何か」が、唇から俺の中に流れ込んでくる。
それはやっぱり、エネルギーっていうのが一番近いけど、
それだけで済ませられるものじゃないってことは、わかってる。
・
この国の美しい言葉から選ぶなら「思慕」だな。
ﾚﾘｲが俺を思ってくれる思慕が、俺を生かす。
思慕は光になり、熱を帯びたエネルギーとなって、俺の体を駆け巡る。
・
ここ数日、けだるく鈍っていた細胞が、一つ一つ目覚めはじめた。
感覚が研ぎ澄まされて、夜の闇を切り裂いて飛び回りたい衝動が湧き上がってくる。
・
活力を増す俺に反して、ﾚﾘｲの光は、急速にピンクの色味を失っていく。
薄紅色……薄紅梅……薄桜……そして、雪のように眩い白色光になった。
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えんどまめ(プロフ) - natikoさん» ダダ漏れな私に優しい言葉を頂けて恐縮です〜。スターティングゲート!雅紀クンが水浸しになって脳内を駆け回ってますので、近々きっとお目見え致します。その日に向けて精進精進〜。 (2014年7月14日 22時) (
レス) id: 843d1c1e57 (このIDを非表示/違反報告)
えんどまめ(プロフ) - 翔ノ智Pさん» 楽しんでいただけてウレシイです。またお暇があったら、お立ち寄りくださーい。 (2014年7月14日 22時) (レス) id: 843d1c1e57 (このIDを非表示/違反報告)
natiko(プロフ) - こんばんは。放出ありがとうございます♪ビョーキになっちゃいけないし、その都度出しちゃってくださいね☆ ちなみに、スターティングゲートのファンなので、こちらも楽しみにしてますね♪♪ (2014年7月14日 21時) (レス) id: 988dd47827 (このIDを非表示/違反報告)
翔ノ智P - 面白いですね（＾ω＾）また見に来ます(=ﾟωﾟ)ﾉ (2014年7月14日 20時) (レス) id: 99e6c23d25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えんどまめ
| 作成日時：2014年7月14日 17時
