声が枯れるほど・・泣いた日に （ybxin）

＝なみだ・２＝ ページ13

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。




泣かない。泣かない。泣くもんか・・・。


下唇噛んで・・涙堪えた。




地元の駅降りて、すごく長いエスカレーター上がって

改札出て、階段上がって・・外に出て歩き出す。

俯いてたの、ずっと・・でも・・

ハッと、上を見上げた＿＿＿＿＿。




夜の銀杏並木が・・目の前に広がって・・



どんどん歩いたの、ずんずん歩いたの、

海の香りが近付いて、海岸通りに差し掛かった時＿＿＿。

なんでだろ？・・なんでかな・・？

おれ・・宏太さん・・思い出したの。




なんで・・かな？・・なんで・・だろ＿＿＿＿。






悲しくて、苦しくて・・走ったんだ。

喫茶『ＤＥＡＲ。』までの道を急いだ＿＿＿。

この時間なら・・居るかもしれない・・。





あの、いつもの窓際の席に座って

「こんばんは。慧くん」って・・

言ってくれるって・・。

あの、笑うと少年みたいになるあの笑顔で

おれに、笑い掛けてくれるって＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。







はぁはぁっと、息を切らし

おれは、そっと『ＤＥＡＲ。』の

明るい店内を暗がりの中で覗いた・・・。






＿＿＿＿宏太さん・・今日、きてない・・。＿＿＿＿






宏太さんの居ない

ガランとした、窓際の席を見つめて

おれは、堰を切った様に泣き出した＿＿＿＿。





おれは・・逢いたかった・・。

逢いたかったんだ・よ・・。宏太さんに・・。





なんで・・かな？


・・なんで・・だろ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。

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