世界には愛しかない (ページ11)

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Aside

「お帰りぃ！Aちゃん、てち！」
「あ、葵ちゃん！ただいま！」

案内が終わって、てちと一緒帰ろうとすると、そこに待っていたのは葵ちゃんと理佐ちゃん。
校門を出ようとしたら、葵ちゃんに抱きつかれる。

「Aちゃんかわいい〜！妹にしたい！」
「…葵さ」

そういったのは理佐ちゃん…じゃなくて、てち。

「てち？何やきもちやいてんの〜？」
「なっ……」

よく聞こえないけど…葵ちゃんにつつかれてる。

「帰るよ、ほら」
「はーい」

理佐ちゃんに言われて、みんなで校舎から寮までの遊歩道を通って帰る。

あ、そういえば…。

「…部活、何にしよう」

思わずつぶやく。
この学校は、１年生のうちはなにかの部活に入ってないといけないらしい。

「部活？まだ、決めてないの？」
「うん。あ、みんなは何部？」

参考のために聞いてみる。

「私達は……えっと、バスケ部！私と理佐は選手で、葵はマネージャー」
「へぇ〜。みんなバスケなんだ」
「うん。ちなみに、志田もバスケ。あ、ベリカは手芸部」

梨加ちゃんは手芸かー。
確かに、そんな感じする。

「私、マネージャーだけど、バスケ部楽しいよー！みんないるしさ、多分Aちゃんできると思う。バスケ」

バスケかぁ。

小学生のときにミニバス習ってたくらいだけど…平気かな。

「迷ってるなら、明日の練習試合、来てみたら？」
「あ、いいねそれ」

そう思ってると、てちと理佐ちゃんが頷き合ってる。
明日、試合があるんだ！
新学期始まってそうそう、大変だなぁ。

でも行って、大丈夫かな。

「いいよ、来なよ。応援してくれたほうが、やる気出るしさ」

また、てち！
どうして私の心が読めるの！
あなたはエスパーですか？

でも、そう言ってもらえるなら。

「じゃあ、行ってみるね」
「やったー！」

喜ぶ３人組。

明日、９時に待ち合わせる。
そんなことを話していたら、寮についた。

私とてちの部屋番号は、046。

「じゃあねー。また明日」

葵ちゃんと理佐ちゃんは違う階だから、階段で別れる。

お部屋、どんな感じなんだろうな。

ガチャ

鍵を開けると、そこには二段ベッドと机。

「すごい。思ってたより広い」

驚いてるてち。

確かに、キッチンとテレビ、トイレにお風呂もついていてホテルの一室みたい。

「うわぁぁ！すごい！」

テンションが上がっていろいろなところを開けてたりすると、てちがくすっと笑った。

なに？

「うさぎみたい。かわいい。ふふっ」

うさぎみたいって。

そういうてちは、笑った顔がカワウソみたいよ？(笑)