ごめんなさい共演できません！【 JW 】 (ページ16)

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side . 小瀧望

雑誌の撮影の合間、暇やったから建物の中をぶらぶら歩いとったときのこと。

自動販売機でなんか買おうかと思うて近くまで行くと、見るからに嫌がっとる女性と、そんな彼女と肩を組むチャラそうな男の2人が見えて。

しかもその女性は見覚えしかないあの女優さんやったモンやから、咄嗟に話しかけて嘘までついてもうた

小瀧「雛乃さん困ってたっぽかったんで嘘言うてもうたんですけど、迷惑でしたかね…？」

『め、迷惑だなんてそんな…！！っむしろ助かりました、！ホントにありがとうございました…！！』

小瀧「そうっすか！ほんならよかったです！」

笑顔を浮かべてお礼を言うてくれる雛乃さんやけど、その笑顔はどこかぎこちないし、肩も震えとるように見える。

……そうとう怖かったんやろな

小瀧「 …雛乃さん」

『 …？…はい？』

小瀧「今って時間ありますか？」

『一応…次の撮影までだいぶ開いてるので大丈夫です、』

小瀧「ほんならちょっとお茶しましょ！」

『っえ、のんちゃ、…っじゃなくて小瀧さん？！』

こんなときでも呼び方を気にしてくれる雛乃さんの優しさを感じながら、彼女の手を引いて近くのベンチに座る。

そして自販機でカフェオレを買って彼女に渡す。

小瀧「お茶するって言うても、自販機で買ったやつですけど… 」

『そんな、申し訳ないです…っ！！』

小瀧「ええんですよ！気にしやんといてください！」

『でも…っ』

小瀧「大丈夫っすから！ね！」

『 …じゃあ、お言葉に甘えて、』

しぶしぶではあったけど、カフェオレを開けて飲んでくれた雛乃さん。

俺もその隣に座って、ついでに買ったペットボトルの蓋を開ける。

『ホント、何から何までありがとうございました…っ』

小瀧「いやいや！いいんすよ！」

『 …とっても怖かったんですけど、小瀧さんが来てくださったおかげですごく安心しました！笑』

小瀧「 …！！」

今の笑顔は、さっきと違ってホンマに自然な笑顔に見えて少し嬉しくなる。

…ただ、ほんのちょっとだけ、心がぎゅっと締め付けられたような感じがしたのは俺の気のせいやろか

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