お届け物です ページ5
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「お届け物でーす」
次の日。今日こそは昼間で眠ってやるという意気込みで眠りについたのだが、無慈悲にも私は朝っぱらに叩き起こされた。まだ日が出ているだけマシか。
体を起こし、シワになったスーツに若干絶望しながらも、待たせる訳にはいかないと最低限身だしなみを整えて外に出る。
すると、某黒猫のマークが入った帽子を被った配達員のお兄さんが、早速私に大きな箱を私に手渡してくる。
反射的に受け取ってしまったが、なんだこれ。こんなの注文しただろうか。
「 受け取りの判を頂いても宜しいでしょうか 」
「 あ、分かりました 」
よくよく見ると、このでかい箱の送り主は「 水上颯 」という私の友人だった。あいつならまぁ変なものは入れてないだろうと無駄な自信で、取り敢えず箱を家の中に運び込む。
再度外に出て印鑑を押すと、爽やかなお兄さんはニッコリ笑って帰っていった。あの人人気ありそうだなぁ。愛想良いし。
さて、折角の『 昼間まで寝る計画 』も破綻したことだし、あいつからの贈り物の中身でも確認しよう。
どうせ実家の蜜柑とかじゃないのか。
―――ガタガタガタ!!!
……うーん、ちょっと待て。ちょっと落ち着こう。
リビングに戻ったは良いが、なにがどうして段ボールが揺れているんだ?
あいつまさかとんでもねぇ珍獣入れてんじゃねぇだろうな?
もしそうなら訴えるぞ??
折角の休日を邪魔したの刑で死刑にするぞ???
……どちらにせよ、開封しないことにはどうしようもない。最悪珍獣が入っていたらあいつの元に送り返そう。追加料金がかかっても良いから送り返してやる。
そんな意気込みで持ってきたカッターの刃をガムテープに差し込み、ゆっくりと手前に引いていく。
頼むから、朝っぱらからビックリ箱的なのはやめろよいやほんとマジで。
「 うわぁっ!え、だれっ?! 」
「 …… 」
「 まってまって!しめないで! 」
ヤバイ。仕事のし過ぎで幻覚が見えるようになってしまった。シルバニアファミリーの人形みたいなサイズの小人が喋るとかいう意味わからん幻覚が見える。なんだこれ。
今一度確認するため閉めかけた段ボールの蓋を開けると、ざっと確認するだけで七人の小人が私を見上げていた。
水上、お前……私が一体、お前に何をしたって言うんだよ。
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作者名:朝田 | 作成日時:2020年12月29日 18時