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リアル七人の小人 ページ6









「 ……幻覚か? 」
「 おねーさん、だれ……? 」







 いや、それはこっちの台詞なんだわ。誰だよお前ら。
 てかこれを送りつけて水上はなに考えてんだよ。あいつこんなの産み出す程マッドサイエンティストだったか?


 本当だったらもう一回封をしてあいつの家に投げ込みたい所なのだが、中身が( どういう原理かは分からないが )生きている小人だと知った以上、そう無責任なことも出来ない。
 かといってこんな小人を七人も飼育できるほど、私の部屋は万能じゃないんだが。

 小人以外の手がかりは無いかと思い、再度段ボールを覗き込む。すると毛布の敷かれた段ボールの隅に、なにやら一枚の紙が覗いていることに気づいた。あいつからの手紙だろうか。









< 有働へ

 小人を保護したのですが、僕は家を空けることが多いので有働に託します。排泄とかはしないようなので、比較的育てやすいと思います。じゃあ後よろしく。

 P.S. 必要な物は後日送ります。 >








 なんだろう、この拭いきれない適当感。
 あいつが今大変な時期ってことは私も知っているが、ここまで華麗に丸投げする奴が今まで居ただろうか。

 読み終わった手紙を握りつぶし、チラリと小人達に視線を戻す。彼らは余程私が怖いのか、殆どの子が隅っこに集まって抱き合っていた。
 多分、ここまで怯えさせたのは手紙を握りつぶしたこともあるのだろう。


 こんなことで怯えちゃうなんて、そんなんじゃ今後おねーさんと暮らしていくなんて無理だぞ☆
 なんたっておねーさん、過去に会社からの電話が煩すぎてスマホを破壊したこともあるんだからな☆
 なんなら今使ってるスマホ、これで四代目だぞ☆









「 ……あいつ絶対人選ミスってるよな 」








 あ、これ冷静になっちゃ駄目なやつだ。私のメンタルがイカれる。








「 おねーさん、おねーさん! 」
「 ん、おぉ、君は人懐っこいね 」







 額に手をやって深いため息を吐いていると、頑張ってよじ登ったのか、段ボールの縁に掴まっている男の子が私の手をトントンと叩いてくる。左頬の黒子が印象的だ。
 ひとまず掌に乗せてやると、彼は楽しそうに指先に掴まって、私にも笑いかけてきてくれる。

 こうして掌に乗せてみると、本当に小さい。丁度親指サイズだろうか。
 あまり動物を飼ったことがないので分からないが、飼っている人はこんな気持ちなんだろうな。




 ちょっと可愛い。









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作者名:朝田 | 作成日時:2020年12月29日 18時

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