【男主】身長8cmの高校生を拾った件について【BL】

人形じゃなかった ページ3

机の上に、"人形"を
ティッシュごと置いた。



さっきまで動いてたのに
今は全然動かない。
電池切れ......とか？



「......よくできてる」



人形みたいに、アクリルっぽい髪じゃなく
さらさらしている髪だ。


にしても、虫じゃなくてよかった......。
一時はどうなることかと思った。


そっと人形に触れて持ち上げると、
ぐたーっとしていて、動く気配がない。
確かに手の中で動いてた気がしたんだけど...。


プラスチックやゴムみたいな
硬い感触は無くて、身体も柔らかかった。
実物にかなり似せられていて、怖いくらいだ。


Tシャツとスウェットパンツを着ていて
腕には本物の金属で出来た腕輪をはめている。



......あれ、この腕輪、何か彫ってある？




「ん〜......と......"Please stay with me."？」




"僕と一緒に居て"......
直訳はそんな感じだろう。

装飾が細かいことに感心しつつ、
何故にその英文なのかを考えたが
さすがにわからない。


最近のオモチャはここまで発達したのか。


男だから人形には疎いけど、こんなに
作りが人間に近づいたやつもあるんだな...。

重量感もしっかりあって、
関節も人間そのもの。
やばい、すごい。語彙力が無い。



興味本位に、人形の腕をつまんで持ち上げる。




「っ......！」




______！？




今、人形の肩がビクってした。



え、え、やっぱ動くのか、これ？


そーっと、もう一度腕を持ち上げる。
人形はふるふると震えて、うっすら目を開けた。




「やめ、て......痛いから......」
「ひぃっ！？」



しゃ、喋った。喋ったぞコイツ。


______痛い？？



「ご、ごめんなさい」


急いで指を離すと、
人形が弱々しく腕を抑えていた。


人形なのに、痛覚がある......？




......まさかこれ、人形じゃないんじゃないか？




「っね、ねえ、君は？ 人形だよね？」



人形に話しかけるなんて初めてだ。
でもまた眠ったりする前に情報がほしかった。



「______人形？」



人形(?)が俺を見た。





「っひ！？ え、ぁ、あ」






そしてガタガタ震えだした。
え、なに、どうしたの......？





「でかッ......！？」







________はい？ え、今更？
ていうか、君が小さいだけだろ......。



と思いつつ、少し考える。



造りが精巧で、痛覚があって
話せて、俺に怯えた。









_____まさか、人間？
こんなちっこいのが......？









小人(?)は、
可哀想なくらい怯えた顔で俺を凝視していた。

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