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『...迷った』
上原と話している最中、時間を思い出し俺はすぐに職員室に向かった。
怒られた挙句持っていく資料を増やされたのは言うまでもない。
問題はその後。
そう、今現在だ。
不運なことにアイドル科の校舎で迷ってしまったのだ。
アイドル科の生徒は9割が個性的。
関わるのは面倒くさすぎる。
いや、残りの1割が個性無いとか貶してるわけじゃなくて。
ちょっと待て、個性が無いって逆に褒め言葉なのでは...?
って、違う。そういうことじゃない。
とにかく、俺は面倒くさい奴に会う前にさっさと部屋を探すことにした
____のだが、
「ちょっと、あんたAでしょ?」
何故こいつがいるんだ
『...瀬名先輩』
嗚呼、瀬名先輩には会いたくなかった。
瀬「やっぱりAだ。モデル、待ってるからねぇ?Aがこないんだったら俺が無理矢理にでも引きずって行くからぁ」
『それは流石にやめてほしいです』
正直、俺は瀬名先輩がわからない。
瀬名先輩は綺麗なものが好きなはず、なのにどうして俺のことを気に入る?
ただ自分勝手な願望を押し付けているだけなのだろうか。
それとも、違う何かなのか...。
どちらにせよ、俺は理解ができない人とはあまり一緒にいたくない性格だ。
だから早く瀬名先輩を撒きたい、、
『瀬名先輩』
瀬「なぁに?」
そう言うと、瀬名先輩に気づかれないようにしながら、さり気なく脚に力を込めた。
『よーい、』
瀬「は?ちょ、なにするつもり...」
『どん!!』
その瞬間、俺は全速力で階段を登っていった。
階段を上りきり、息を整えながら耳を澄ます。
階段を上がる音は聞こえなかったので瀬名先輩は諦めてくれたのだろう。
俺は資料を持ち直し、廊下へ足を進めることにした。
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作者名:ゆうきよ | 作成日時:2018年3月21日 22時