番外編 ページ14
番外編
凛「あっつい...」
衣「やっと目的地に着いたところだろ?」
『そうだよ、あと少し頑張ってりっちゃん』
凛「は?りっちゃんて呼ぶの止めて」
世はGW
俺達はプールに来ていた。
水着に着替えた所までは順調だったが、更衣室から出てきた途端に凛月が駄々を捏ね始めた。
肝心な場所取りをしたいところだが凛月がこうなってしまっては仕様がない。
そこで宥めようとした結果がこれだ。
りっちゃんと呼んだだけでガンを飛ばされている始末。
『凛月ごめんて、そんな睨むなよー...』
衣「満更でもなさそうな顔してるけどな〜」
凛「ま〜くん、暑さで頭やられたの?」
衣「素直じゃないな、りっちゃん?」
『おい、言い合いはそこら辺にしとk...』
凛「素直じゃないのはま〜くんでしょ」
衣「...どういうことだ?凛月」
凛「そのままの意味。ま〜くんだってAともっと話s」
『はいストップ!俺が何だか知らないけど場所取り早くしないと日陰が無くなるぞ?』
『なかなか良い場所取れたかな?』
衣「そうだな、ここなら日陰の面積大きいしプールも近い!」
真緒も絶賛する程の俺の場所取り能力
さすが俺だな←
凛「ふぁ〜ぁ、おやすみ...」
『寝るなよ遊ぼうぜ』
凛「こんな暑いなんて聞いてない。俺は日陰に避難してるから」
『一緒にプール入ろうぜ〜』
俺は凛月の体をガッチリホールド(謎)した。
凛「は?ちょっと、ベタベタしないで。汗かくし気持ち悪い」
『やだね!』
我ながら自分は勇気があると自覚(錯覚)した。
普段はこんな大胆な行動はとらない、顔が熱くなるのを見られてしまうから。
しかし今はプール。顔が赤くても気温で誤魔化すことができる。
凛「あーもう。入る、浮き輪使うけど」
『まじかりっちゃん。ありがとう!』
はいはい、と短く返事をした凛月の顔は赤くなっていた。
衣「は〜、楽しかったな〜♪」
『そうだな、また3人で行きたいな』
凛「もう勘弁してよね、日焼け止めが何個あっても足りない」
『えー...』
衣「もう俺ん家か。じゃあな〜!」
『じゃーな!』
凛月は挨拶しないのかと思い見ると、小さく手を振っていた。
玄関の鍵を閉める音を確認すると、凛月がぽつぽつ、と言葉を紡ぎ始めた。
凛「プールは嫌だけど、さ。何処か涼しい所なら行っても良い、かも」
『...うん、今度は涼しい所、一緒に行こうな!』
互いの顔が赤かったのはきっと夕焼けに照らされていたからだろう。
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作者名:ゆうきよ | 作成日時:2018年3月21日 22時