あなたが居なくなった世界は【佐野万次郎】

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｢ごめん、じゃあ春香ちゃん、待ってて。｣

春香｢はい…！みなさん、、どうかお気をつけて、！｣





あの後千冬と八戒が来てくれて、春香ちゃんのその言葉を合図に俺達５人はそれぞれ違う方向に走り出した。

みんなで相談した結果、警察には相談しないで俺達でAを見つけようという答えになった。





春香｢あ、あの、！三ツ谷さん！｣





バイクを出す寸前、春香ちゃんに呼び止められる。





｢ん、どうした？｣

春香｢…Aは、Aは、、誰を追いかけてるんですか、、。｣

｢……。｣

春香｢あんな酷いことされて、、せっかく助かったのに自分の身を顧みないで、そうまでして誰を追いかけてるんですか、！！｣





春香ちゃんは泣きながらそう叫ぶ。





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｢……ただの、馬鹿野郎。｣

春香｢…っ…え…？｣

｢Aのこと泣かすのが、得意な奴。｣

春香｢！！！｣

｢でも誰よりも、Aのことを想ってるんだ。｣

春香｢っ、本当にAのことを想ってたらこんなことさせますか、！？｣

｢……だから、似た者同士だよな。Aも大概馬鹿なんだよ。｣

春香｢っ…｣

｢そんで俺は、病院抜け出してまで追いかけたい奴がいるAをずっと、追いかけてる。｣

春香｢！！！！｣

｢…俺も馬鹿だろ？Aは絶対振り向かねーし、そいつのことしか見えてないのに。｣





なんでか、なんでか俺は、Aにずっと恋してる。

傷付くって分かってて飛び込んでいく姿も、悲しくても頑張ろうって踏ん張ってる姿も、好きな奴のために突っ走れるところも、それが俺じゃない奴のためだってわかってても、生きることに一生懸命なAのことが、俺は、





｢……すげー好きなんだ。｣





俺はそう言って笑った。
どんな笑顔に見えたんだろうな。
…自嘲的に見えたかな。





春香｢っ…三ツ谷さん……。｣

｢…だからAは絶対連れ戻す。｣





あいつがどれだけマイキーに溺れていようと、マイキーがどれだけAに溺れていようと、もう知ったこっちゃねぇよ。

俺はもう遠慮しねぇぞ、マイキー。





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