返事はイエス/kn ページ48
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いつも朝に駅のホームで見かける名前も知らない、金色の髪にスカイブルーの瞳の男の子。
第一印象は“綺麗な顔立ちをしている”で、駆け出しのアイドルを見つけたような気持ちだ。
私とは違う高校の制服を着ているので、他校の男の子という情報しか残念ながら得られていない。
朝は眠そうに駅のホームで欠伸を噛み殺しながら、電車を待っているのを良く見かける。
仲の良い友達と合流した時は、目が覚めたかのように突然元気な声が聞こえて来る。
話し掛けるなんて烏滸がましい。遠目から見れるだけで充分だ。
ある日。
例の彼が改札を潜った後に定期入れを落としたのを見かけた。
私は慌てて彼に届けなければならないと思い、定期入れを拾い上げて私は彼を追い掛ける。
「あの！」
彼に声を掛けると、私の方を振り向いた。
遠目からでも分かっていた整っている顔は、実際近くで見るとより綺麗な顔立ちをしている。
kn「ん？何や？」
「定期、落とされましたよ」と言って、彼に定期入れを差し出す。
「うわ、全然気付かんかった！拾ってくれてありがとうな！」そう言って彼は、定期入れを受け取ってくれた。
「今度お礼になんか奢らせてくれ」と笑顔で申し出をしてくれた。
そのまま会話の流れで一緒に電車に乗ると、ようやく彼は名前を教えてくれた。
「俺、コネシマって言うねん。高校2年」
「Aです。私も同じ高校2年生です」と返すと、「なんや、タメやったんか」とコネシマさんは驚いていた。
一体コネシマさんは私を何年生だと思われていたのだろうか。
kn「Aも、敬語とかは無しな」
「はい…うん、分かったよコネシマ…くん」
さらっと私の名前を呼ぶコネシマくんに対して、私が歯切れの悪い返事をすると、コネシマくんは笑いのツボに入ったのか大笑いをしていた。
コネシマくんに「連絡先を教えてくれ」と言われたので連絡先を交換した。
「じゃあ私、ここで降りるから」
「ん、また夜にでも連絡する」とコネシマくんが言うと、私はコネシマくんと別れて電車を降りた。
その日の夜、家に帰るとコネシマくんから早速トークが来ていた。
絶妙なタイミングで返事が返ってくる上に、コネシマくんは話上手でトークのやり取りが楽しくて、夜遅くまで続いた。
コネシマくんからのおやすみのスタンプを送られて来たのを見届けた後、私は眠りについた。
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