やきもち/sha ページ40
・
sha「なぁA、どうしたん？俺、何かした？」
「…別にシャオちゃんは、何もしてないよ？」
私は今、物凄く機嫌が悪い。
別にシャオちゃんが私に対して、何か嫌なことをしてきた訳ではない。
デートの待ち合わせ場所に着いた時に、シャオちゃんが派手な見た目の女の子達に声を掛けられていたのだ。
はっきり「彼女と待ち合わせしてます」って断ってくれたら良いのに、シャオちゃんはニコニコと人当たりの良い笑顔で愛想を振りまくのだ。
…シャオちゃんの誰にでも人当たりが良いところが、シャオちゃんの良いところなのだけれども。
私だけがやきもちを妬いているみたいで何か嫌だなぁと、思ってしまう自分に対してどんどん嫌になってくる。
「…シャオちゃん。私は今、自己嫌悪中なの」
「何やそれ…。A、何か嫌なことでもあったん？」と言いながら、シャオちゃんが私の顔を覗き込んでくる。
「シャオちゃん見ないで…！私の顔、今酷いから」
私は両手で顔を隠して、シャオちゃんと目線が合わないようにする。
「そんなん言われたら、逆に余計に見たくなる」とシャオちゃんが私の手を退けようとする。
sha「Aはいつだって可愛いやん。それに俺、今日めちゃくちゃAに会いたかったんやで？」
…そんなことシャオちゃんに言われたら、顔を隠せなくなってしまう。
私が両手で顔を隠すのを止めると、「あ、やっとAの顔見れた」とシャオちゃんが嬉しそうに言う。
「面倒臭い女でごめんね、シャオちゃん。私、女の子に声を掛けられてたシャオちゃんにやきもち妬いてた」
sha「俺が一番大事なのは、A一人だけやからな。心配せんでええよ」
「シャオちゃん〜〜！大好き〜！」
私がシャオちゃんにありったけの愛を叫んで抱きつくとシャオちゃんは「俺もAが大好きやで」と言って、シャオちゃんは幼い子供をあやす様にぽんぽんと背中をリズム良く叩いてくれる。
sha「ほらA、デートは今始まったとこやで？はよ行こ！」
「うん！」
シャオちゃんのお陰ですっかり機嫌が良くなった私は、シャオちゃんと手を繋ぎながら歩き始めた。
------------------------------------------------
デートの待ち合わせをしている時に、
やきもちを焼く夢主でした。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
