【d!】小噺つめあわせ【短編集】 (ページ37)

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「彼女が変わる度に買う花の傾向も変わるから、印象が強いんです」とAさんがこっそり教えてくれた。

「ちなみにピンクのカーネーションには温かい心、感謝っていう意味が込められているんです」

「へー、花詳しいんですね！」と俺が感心したように言うと、「まぁ、花屋ですからね」とAさんから当たり前の答えが返って来た。そりゃそうやな。

「今日は母の日ですし、折角なのでおひとつどうですか？」

Aさんはピンクのカーネーションを指差しながら言う。

母親にあげるつもりなんて1ミリも無かったけど、なんか断りづらいな。

kn「…じゃあ、ひとつだけ買っていきます」

「有難うございます！」と花の様な笑顔を浮かべたAさんは、丁寧にピンクのカーネーションをラッピングしてくれた。

「お母さん、喜んでくれると良いですね」

kn「うーん、どうでしょう？」

「また良かったら、どうだったか教えて下さいね」

Aさんからラッピングされたカーネーションを受け取ると、見送るAさんに頭を下げて俺は家に向かって歩き始める。

心はいつもよりあったかく感じた。

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花屋夢主とknさんでした。
青い鳥で呟いていたのですが、部活帰りの男子高校生がカーネーションを持って歩いていたのを見掛けたのでネタにしてしまいました。推せる………

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