遅刻/ci ページ34
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チーノくんがデートの待ち合わせに遅刻をすることは、悲しいことに良くある話だ。
何度も何度も鳴らしたコール音は、「只今、電話に出る事が出来ません」と無機質なアナウンスによって途切れた。
まさか事故に巻き込まれたり、体調が優れなくて家で倒れたりしたのでは無いだろうか、と不安に駆られてしまう。
チーノくんに電話を掛けて、連絡が取れるのを待つだけだ。
しかし心配をする反面、チーノくんがデートに遅れて来た回数はもう両手で数え切れない程になる。
今日は待ち合わせの予定時刻から、三時間の遅刻だ。
待ち合わせの時間はお昼過ぎの予定だったはずが、今ではもうすっかり夕方になり空はオレンジ色に染まっていた。
デートの予定としていた予約制のスイーツビュッフェは残念ながら間に合いそうに無く、キャンセルとなったため泣く泣く断りの電話をお店に入れた。
ci「A、ほんまごめん…！！！！」
「チーノくん、電話何回も鳴らしたんだけど…」
ci「ごめん！寝てて全く気付かんかった…！」
飛び起きるなり慌ててデートの待ち合わせ場所にやって来てくれたチーノくんは、全速力で走って来たのか物凄く息を切らせていた。
「事故に巻き込まれたとかじゃなくて良かったけど。一先ず起きたらすぐに連絡してね、心配になるから」
ci「う、以後気を付けます…」
「それじゃあ、気を取り直して何処かへ行こうか。チーノくん、映画とかはどう？私、観たかった映画があるんだ」
「Aの行きたかった場所に、行けんくなってごめんなぁ」と哀愁を漂わせながら謝ってくれるチーノくん。
当初予定していた行き先とは違うけれど、チーノくんと少しでも僅かな時間を共に過ごせるのなら私はそれだけで十分だ。
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デートの待ち合わせに遅刻するciさんでした…！
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