【d!】小噺つめあわせ【短編集】 (ページ4)

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mb「A、何番だった？」

「7番だよ」

「私、19番だからAと遠いや」と残念がるモブ子ちゃんに、「くじ引きだから仕方ないよ」と答える。

「後で感想教えてね、健闘を祈る！」とモブ子ちゃんが自分の席に向かって行ってしまったので、私も指定された席に着くことにした。

女性は指定された席に固定になるが、20分おきに男性が時計回りで席を移動しながら異性との会話やビュッフェ形式の食事を楽しむ会のようだ。

集合時間が近付くと参加者は続々と集まり始め、賑やかな声が聞こえる。

私の向かい側に座る予定の男性はまだ来ていないようだ。

ミルクティー色の綺麗な髪をした一人の男性がお店に入って来ると、周りが一斉に騒つき始めた。

「あれが噂の…」「まさかこの街コンにも参加しているなんて…」「今日はバナナを配らないのか…」といった声が聞こえてくる。

「あの…あの人って有名な人なんですか？」

思わず隣の席に座っていた黒髪ロングの綺麗な女性に声を掛けると、「この界隈では有名人ですよ。街コンマスターって呼ばれているんです」

街コンマスターって一体何者なのだろうか。

「教えて下さり有難うございます」とお礼を言うと、隣の席の女性は「どういたしまして」と和かに返してくれた。

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