【d!】小噺つめあわせ【短編集】 (ページ27)

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覚悟して/sha ページ27

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mb「今夜、予定は空いているか？」

「…空いてますけど」

mb「二人で食事にでも行こう」

「…分かりました」

「もう自分のデスクに戻っても良いよ」と上司に言われたので、「失礼します」と言って私は上司から離れた。

新入社員なりたての私には、圧力を掛けてくる上司には逆らえない。

念願叶って働きたかった会社に入社出来て喜べたのはほんの束の間で、部署の配属が決まってからは苦痛でしかない。

とぼとぼと自分のデスクへ戻り椅子に座るのと同時に大きな溜息をつくと、明らかに不機嫌そうな先輩が待ち構えていた。

「シャオロンさん、どうかしましたか？」

sha「A、いつも上司にあんなん言われとるん？」

「そうですけど…」

sha「嫌なら断ればええやん。それか人事に報告するとか」

上司に断りを入れたり人事に報告出来てたら、こんな事で悩んだりしない。
お陰様で毎日胃がキリキリと痛む。

「上司の誘いを断って、部署の空気を悪くしたく無いんです。穏便にしていたいんです」

sha「本音は？」

「本当は全然行きたく無いし、上司の事なんてこれっぽっちも興味がないです」

「お前のその言葉を待ってたんや」とシャオロンさんが言う。

頭に疑問符が思い浮かぶが、「まぁ、俺に任せといて。これから外回りしてくるし」とシャオロンさんが得意げに言うので信じる事にした。

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