【d!】小噺つめあわせ【短編集】 (ページ21)

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飛べたのはほんの一瞬/kn※ ページ21

※死ネタ注意

コネシマくんと初めて出会ったのは、昼休みの屋上だ。

屋上のフェンスを越えて飛び降りようとしている所を、学年が1つ下のコネシマくんに見つかってしまった。

それ以来、昼休みの度にコネシマくんは生存確認をしに屋上へと私に会いにやってくるのだ。

「いらっしゃい、コネシマくん」

kn「昼飯もう食ったん？」

「ううん、まだだよ。コネシマくんが来るの待ってたんだ」

お弁当を広げると、コネシマくんは目を輝かせながら私の弁当箱に入っている唐揚げをつまんで食べる。

kn「唐揚げうま！」

「つまみ食いしなくても、コネシマくんのお弁当もあるよ」と言って、私はコネシマくんに弁当を差し出す。

「ほんまに！？」とコネシマくんは弁当を広げると、唐揚げを嬉しそうに頬張った。

午後の授業の予鈴が鳴る前に、コネシマくんを教室に帰す。

「ほらコネシマくん、そろそろ教室に戻らないと」

「また明日な」と言ってコネシマくんが屋上を出て行く。

「…今日も飛べなかったなぁ」

私は静かに呟いて、屋上を後にした。

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