過密の彼岸【文スト×HQ】 (ページ33)

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見つかってしまったページ33

その日の夜中、体育館の扉を開ける。

鍵は、文字通り"奪った"。

｢…あとは倉庫…｣

いつ何が起きてもおかしくないこの状況で、私は気を抜かずに捜査を続ける。

あくまで可能性だが、発信機や盗聴器、最悪の場合時限爆弾なんてものが隠されているかもしれない。

定期的に父が宮城にいることを報告してはもらっているものの、いつどこで刺客を仕込んでくるかわからない。

最悪なのは、この場のバレー部員及び施設の人が巻き込まれた場合だ。

私も引くに引き下がれない。

｢…以上なしっと｣
｢何が異常なし、だ｣

使っていたスマホの明かりが2つに増える。

やばい、まずい、異常なしなことに油断していたっ。

｢し、白布先輩…なんで｣
｢勉強してたんだよ。だから隣の部屋から出ていったお前のドアの音の2回目がなかなかしなくて探してみたら…｣

寝静まった深夜、倉庫でスマホの明かりを片手に怪しさ満点の素振り。

｢…忘れ物があると思って｣
｢忘れ物?敵の置き土産でも探してんのか?｣

ばれている。

｢だいたい、ヨコハマ行ったと思ったら急に様変わりし過ぎなんだよ。何かあったなんて見りゃわかるし、確実になにか隠しているのはわかってんだよ｣
｢まあ、そこまでにしとけ｣

明かりが3つに増える。

｢さて、ゆ〜〜〜っくり聞かせてもらおう｣

瀬見先輩も白布先輩も真顔で言った。