その４ ページ6
貴 「痛い・・・」
今、学校案内が終わって、新入生が帰っているところ。
なのに、まだ痛い。
美生め！私のこと、思いっきり殴ったね！
・・・まぁ、今その美生はいないんだけど。
美生、今日用事があるからってさっさと帰っちゃったんだ。
つまんなーい。
ぶつぶつ言いながら歩いていると、１人の男の子を見つけた。
茶色いふわふわの髪の、女の子が羨ましがる様な大きな瞳を持っている子。
えっと、確かあの子。
貴 「君、Ａ組の子だよね！ふわふわ茶髪君！」
呼びかけると、その子は大きく肩を震えさせた。
そして、そろりと後ろを向く。
なんだよーう。そんな怖がることないじゃーん。
って、私、怖がらせるようなことしたっけ？
まぁ、それは置いといて。←
貴 「どうしたの、茶髪君。元気ないよ？」
ツ 「先輩・・・」
そう言うと茶髪君はうつむいてしまった。
その顔は、とても暗かった。
うつむいても顔が見えるって、小さい子の特権だよね！
それより、何かあるのかなー？
貴 「茶髪君、私で良ければ聞くよ？」
ツ 「・・・俺、何も取り柄がないんです」
茶髪君は弱々しい声で話し始めた。
ツ 「勉強も運動もダメダメで、みんなからダメツナって呼ばれて。俺、もう嫌なんです」
貴 「あ、聞いたことある！」
今年入学してくる子に何もかも全然出来ない子がいるって、美生が言ってたなー。
貴 「でも、女装したら絶対かわいいよね！目、キラキラしてるし！」
ツ 「先輩、それ、嬉しくないです」
貴 「えー！！」
なんで！いい取り柄だと思ったのにー！
貴 「じゃ、取り柄作って！」
ツ 「えぇ！？」
茶髪君は顔をあげた。
貴 「取り柄作ってくれないと、慰められないもん！」
ツ 「作ってって言われても・・・」
茶髪君は少しあたふたすると、つぶやいた。
ツ 「そっか。取り柄がないなら作ればいいんだ」
茶髪君は笑顔で私の方を向くと、
ツ 「先輩、ありがとうございます！俺、頑張ってみます！」
と言った。
・・・なんだか分からないけど、元気になったならいっか！
貴 「どーいたしまして！そうだ、名前は？」
ツ 「あ、沢田綱吉です」
なるほどー！だからツナだったんだ！
貴 「じゃー、ツナ君！いつでも相談に乗るからね！」
ツ 「あ、ありがとうございます！」
初めて中学校の後輩を名前で呼んじゃったよ。
すっごいカンドー！
私は、自然と笑みがこぼれた。
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まゆ - 面白かったです^_^ヒロインの天然っぷり、最高です^_^続きが気になります^_^ (2017年3月26日 23時) (
レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)
あんこシュークリーム(プロフ) - パイナップルと眼帯さん» ありがとうございますなのです！掛け持ちたくさんで、大変なところもあるなのですが、がんばりますなのです！！ (2016年2月24日 20時) (レス) id: 3ec5d15f24 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップルと眼帯 - これからも頑張ってくださいね！！ (2016年2月23日 21時) (レス) id: 4ae1fd9590 (このIDを非表示/違反報告)
あんこシュークリーム(プロフ) - かつぅーんさん» いいなのですか！？是非お願いしますなのです！！描こうと思っても、上手く描けなくて・・・ (2016年2月22日 20時) (レス) id: 3ec5d15f24 (このIDを非表示/違反報告)
かつぅーん(プロフ) - あんこシュークリームさん» いえいえ！もし良かったらイメ画描いてみてもいいですか？ (2016年2月22日 7時) (レス) id: 8709a442c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこシュークリーム | 作成日時：2015年2月2日 19時
