煙草の匂い ページ35
声のした方を見ると白衣を着た女の人が柵の前で煙草を蒸しながらこっちを見ていた
「…あっすみません」
気づかなかった…いたんだ…
確か…家入さん…？
なんだっけ…反転…術式…？が使える人
この人もお兄ちゃんと同級生って言ってたな
家「別に怒ってないよ、寝れないの？」
私がきたから気を遣ってか
トントンッと携帯灰皿に煙草をしまって家入さんは設置されてるベンチに座った
懐かしい…落ち着く…この匂い…
「……はい
あの…煙草気にしなくていいので
ここいてもいいですか？」
家「いるのは構わないけど…
顔色悪いよ、大丈夫か？」
「…大丈夫です」
家「何か怖い夢でも見たんでしょ
話してみな
そういうの他人に話した方が楽になるよ」
心当たりのない傷が出来てる事
それが、夢の中だと辻褄が合う事
信じてもらえるかわからない…
「確かに…怖い夢は見ました…
でも……どう話したらいいかわからなくて」
家「夢って説明しづらいよね
なんとなくでいいと思うけど…」
五「ちょっと、2人でこんな時間に何してんの？」
夢の事を話そうか話さないか迷っている時
五条先生がやってきた
えっ何で起きてるの…？
てか五条先生って本当によくケロッと現れる…
対する家入さんは特に驚く様子もなく五条さんと会話を始める
家「五条、アンタも起きてたの」
五「さっき任務終わったからね
硝子は何でいるわけ？」
家「久々に仕事が片付かなくてな
こんな時間になっちゃったから
息抜きに一服してたとこ」
五「Aに吸わせたでしょ」
家「吸わせるわけないだろ
アンタと違ってもう子供じゃないんだから
そこんとこは弁えてるよ」
五「僕と違っては余計じゃない？
つか、禁煙中だったでしょ」
家「そうだけど？
仕事が進まないと吸いたくもなるよ
ここじゃ酒も飲めないしな」
何だか空気になってる…
一声かけて私はそろそろ退散しよう
「……あのぉ…………」
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作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
