【呪術廻戦】彼女が闇堕ちする前に【五条悟】 (ページ12)

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五条side

もう意味がわからないって顔してる

そりゃそうか

この短時間で色々教えすぎたかな

「兄に…呪われてるって…

はは…ちょっと意味が分かりません」

五「この世に色々と思い残す事があったんだろうね」

暖が処刑される迄の猶予期間

拘束される蔵へ閉じ込められる前

施設の人と会いにきたAに暖がハッキリと

'8歳の誕生日に必ず迎えに来る'と言っていたのを覚えてる

そして幼なかったAが大声で行かないでと泣き叫んでいたのも鮮明に覚えている

僕はなんとか暖の無罪を証明をしようと尽くした

僕だけじゃない、傑も、硝子も…

夜蛾学長なんか特に______

でも、結局無罪を証明できず処刑された

この世に何も思い残す事がないって方が可笑しな話だ

「もう兄の話はいいです」

Aは暖の言葉を信じて待ってたんだろうね

きっと絶対帰ってくると言って
帰ってこなかった暖の話なんか聞きたくないだろう

でも____

五「良くないよ

暖は君に執着しているようでね

君に危害を加えようとする人間を襲う

君は普通に生きていても
君の周りにいる人は呪いの被害に合うだろう

心当たり、あるよね？」

そう言えばAは今までの事を思い出すように
目を泳がせて俯いた

五「追い討ちをかけるわけじゃないけど

矢島花香も元々墓地にいた呪いではなくて

君に取り憑いた暖の呪いによって被害を受けた」

「…そんな…私のせいって事ですか？

私のせいで……」

五「君のせいってより

危険な所に君を連れてきた事が

暖の逆鱗に触れたのかもね

てことで、呪いを見逃す訳にはいかないわけ

呪術界は君を秘匿死刑にしようとしている」

死刑、そう言うとAは絶望的な顔をする

ああ＿暖も…こんな顔だったな

いや、もっと酷かった…

「………死刑」

もうそんな顔を見たくなかった為

雰囲気を変えるように声をかけた

五「でもだいじょーぶ！

君が呪術高等専門学校に入学すれば

死刑っていうのは帳消し

暖の呪いは使い方次第では人を救う事も出来る」

「…ちょっと混乱してます」

五「気になる事があったら何でも質問して」

「兄の死因が…呪いと関係があったりしますか」

_________そうきたか

この子は暖が何故死んだのか、聞かされていない

冤罪で処刑されたと知れば

この子は呪術界に背を向けるだろう

「………兄は…呪いに殺されたんですか」

五「うん、そうだよ」

だから僕は嘘を吐いた

______君を守る為。