爆発 ページ49
五条side
五「……何…言ってんの…？」
嘘に嘘を重ねるより
ただ、純粋に聞き返したつもりだった
「先生…私ね
ずっとお兄ちゃんの事…憎んでたんです
…嘘つきだって
私に黙って呪術師なんかやって…
絶対帰ってくるなんて…勝手な約束して…
呪いにやられて…ッ勝手に死んだって…ッ
でも違う…ッお兄ちゃんは……
何もしてないのに呪術師にころされた…」
目に涙を溜めながら僕にそう言うA
その顔は怒り、憎しみ、悲しみ、疑問、色んな感情が混ざった複雑な表情だった
何故彼女がそれを知ってしまったのか
いつどこで知ったのか…考えるよりも…
今はどうしようという焦りの方が勝っていた
それでも、Aはポツリポツリと今まで溜め込んでいた自分の気持ちを吐き出すように言葉を紡いだ
「ねえ…普通16歳って…青春真っ盛りでしょ…？
なのに…ッ…なんで…？？
試練ばかり…ッ
秘匿死刑って…なんなの…ッ
私が何も知らずに生きてれば…
お兄ちゃんが呪術師じゃなかったら…ッ
そもそも…ッ呪術界なんかなければ…ッ」
______呪術界なんかなければ
ああ…アイツのように遠くへ行ってしまう気がする
この先の言葉を聞きたくなくてAを自分の胸に引き寄せた
けど、言葉は止まる事なく、嗚咽を挟みながら続く
「呪術界にお兄ちゃんが殺されてなかったら… ッ
今も…お兄ちゃんと…一緒にいれたのに…ッ
お兄ちゃんに呪われずに普通の高校生でいれたのに…ッ
お兄ちゃんをころした人に会えるなら聞きたいよ…ッ
何で…ッ何で…処刑なんかしたの……？！
何で…ッ何もしてないのに…ッ
私の人生どうするつもりなの…ッ？
______お兄ちゃんを返してよぉ…っ
私…もう…
これからどうしたらいいか分からない……ッ
分からないよぉ…ッ！」
______俺にもわからない
教師ってなんだ…？
どうするのが正解だったんだ…？
全くわかんねぇ
今まで我慢していた気持ちが爆発したように大泣きするA
あの嘘が、結局はAを傷つけた
絶対帰ってくる、その暖の言葉が呪いになってAをずっと苦しめていた
そして待ち続けていたAが暖を呪い
お互いがお互いを呪って生まれてしまった暖の怨霊
五「お前を苦しめた呪術界を怨めばいい
_____俺も憎めばいい
ただ…Aだけは…どこにも行くな」
嗚咽で震えるAの肩をギュッと抱きしめながら
耳元でそう囁いた
今はただ泣きじゃくるAを受け止める事しか出来ない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 698人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
