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「俺…、友達なんかじゃないのに助けてくれてありがとう、…」



「全然いいよ。俺、橋本くんと話したかったし」



今までも話したくてちょっかい出してたんだと説明する。



「ねぇ、友達になろう?」



手を差し出すと、戸惑いがちにゆっくりと首を縦に動かし、手を握ってくる橋本くん。



近づけたのが嬉しくて、ぎゅっと手を握り返す。



橋本くんの隣に座り込むと、暫く無言の時間が続く。



沈黙を破るために、なんか言わなきゃ…。



「なんでそんなに前髪伸ばしてるの?あと、マスクも」



聞くのはまずかったかな、と思うけれどもう遅い。



「…、人に見られると、息が苦しくなるから」



顔を、見られたくない…と言葉を零す。



「中学の時も、い、いじめられてて…、」



いじめられてから、人に見られるのが怖くなったらしい。



「人に慣れたいのに、こわくて…。しかもまた、いじめられちゃうし…」



「俺にだけでいいから、見せられない?」



慣れさせてあげたいという気持ちと、少しの、顔が見たいという気持ちで提案する。



「、…やってみる」



ゆっくり息を吐くとマスクを取り、震える手で前髪を掻き分ける橋本くん。



顔が見えると、一瞬時間が止まったように感じる。



茶色がかった綺麗な瞳に、はっきりと引かれた二重。



長い睫毛に、下唇の方が厚い唇。



どこをどう取っても美しいとしか形容の出来ない造形。



息を呑んだまま見つめていると、目を逸らされる。



「あ、あんまり見ないで…、」



「ご、めん…」



喉を流れる汗がやたら色っぽく見えて、目を背ける。



「…ねぇ、見られるのに慣れるために前髪、切ったら?」



「、わかった…」



あまりにも素直に言うことを聞くから、不安になる。



他の人からも言われたらなんでもするのかな、と思うとイライラして、自分の手をぎゅっと握る。



「俺以外の人の言うこと聞いちゃだめだよ」



「…?わかった」



前髪を戻しコクリと頷く橋本くんに、確かな満足感を覚える。



この頼りない、生まれたての赤ん坊のような彼を俺が守ってあげきゃ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



さくはし未満な感じで。



陰キャっぽい橋本さんも良いな。



思ってたのと違う感じでしたらごめんなさい…。



.

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青翠(プロフ) - 作間ななこさん» もちろんです!ぜひリクエストしてください!! (2019年5月5日 12時) (レス) id: aaa39c0267 (このIDを非表示/違反報告)
作間ななこ(プロフ) - うきはし最高でした!これからもリクエストさせてください(^^) (2019年5月5日 10時) (レス) id: 012e34ef65 (このIDを非表示/違反報告)
青翠(プロフ) - パセリまみれさん» いえいえ、こんなので申し訳ないです…。こちらこそこれからもよろしくお願いします!! (2019年5月2日 12時) (レス) id: aaa39c0267 (このIDを非表示/違反報告)
パセリまみれ - リクエストに答えていただきありがとうございました!凄く良かったです。これからも頑張って下さい! (2019年5月2日 12時) (レス) id: 616f1bf3a4 (このIDを非表示/違反報告)
青翠(プロフ) - Myuuたんさん» リクエストありがとうございます!承りました!! (2019年4月30日 14時) (レス) id: aaa39c0267 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青翠 | 作成日時:2019年3月21日 15時

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