恋愛性理論 【山】

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智くんに好きだと言ってもらえた。

でもコレってどういう事、何だろう
智くんはニノと付き合ってて、その証拠にキラリと光るネックレスは智くんの胸元で輝いてる。

ごめん、なんて謝ってキスをしてしまったけど
もしかして俺は自分の気持ちだけで行動してしまって、ニノを傷付けたんじゃ…。



さっきみたいな甘々ムード何てどっかいって
いつも通り“兄弟”の俺たち。


釣り番組みて すげぇっ…！ なんて感心してる智くんに目を向ける。


「…ねぇ、智くん」


「んー？」

テレビに釘付けで空返事の智くんに自然と頰が緩む

こんな姿も可愛いと思ってしまうなんて重症かもしれない。
でもそれだけ、俺は智くんが好きだから。


………じゃなくて！！


「ねぇ智くん、ニノは…」

この続きをいうのが怖かった

さっきの夢の様な事が本当に夢だったんだよって
現実を叩きつけられそうな気がして


「んぁ…、そっか、ちゃんと話さなくちゃね」


でも智くんのその言葉で嘘じゃないんだって


「ニノにはちゃんと言っておくよ。お礼もしなくちゃね」

夢じゃないんだって


「翔くん、聞いてくれる？」


泣きそうになりながらコクリと頷いた。


ふにゃりと笑う智くんがよしよしって俺の頭を撫でて
ぴっとテレビを消す。


聞こえてくるのは壁にかかる時計の音だけ
短い針が6の数字を指していて、あぁ、夕飯は何だろう。何て考えてしまった。






「あのね、全部嘘だったんだ」





そして、俺がすべてを知る事になるまで


残り3分。






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