【d!】死んだと思ったら異世界に行っちゃった。2 (ページ45)

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【浮遊】ページ45

『た、助かった…？』

とほんの少しだけ安堵したが、突如として足を掴まれその場に勢いよく倒れ込んだ。
ズキズキと痛む体が浮遊感に襲われる。自分が宙に浮かんでいると理解したのは地面に叩きつけられた後だった。

激痛とともに口から吐き出される血。口の中が血の味がする。大きな爪で引っ掻かれた様な傷が二の腕にある事にも気づいた。

『一体…なに…？どうなってる…の？』

視界に捉えることの出来ない''何か''がそうしている事は容易に想像がついた。
逃げようにも身体中痛くて動けない。
また身体に浮遊感が訪れる。

あぁダメだこれ。そう思った時、奥から話し声が聞こえた。それに気づいた''何か''は慌てて私を地面へと落とす。
ドサッという音と共に地面に顔をつける。

？？「誰かおんの？」

来た道であろう方向に松明の灯りがほんのりとある。
目の前に来たその人たちは私を見たであろう。ただ、私は松明の光が反射して顔が見えなかった。

？？「Aさん！？」

聞き覚えのある声だった。

？？「Aさん大丈夫ですか？どうしてこんなに…」

その声は間違いなくゾムさんとエーミールさんだった。