【d!】死んだと思ったら異世界に行っちゃった。2 (ページ44)

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【暗闇】ページ44

you side

あれからどのぐらい時間が経っただろうか。
私は未だに壁の文字を見つめていた。

ここの世界で死んだら戻れないのかなぁ。

ずっとそんな事を考える。

死んだらどうなるんだろう。

死んでみたい？

そんな勇気なんてない。

やっぱりこの文字書いた人死んだのかな。

もし、私が死んだら？

もし、

もし、''彼ら''が死んだら？

そんな事ばかり考えていると傍に置いてあった松明が突然消えた。その途端視界が真っ暗になり壁も来た道も分からなくなった。
手に持っていた松明も消えていた。

『どうしよう…暗い…怖い……何も見えない…』

徐々にパニックになるのが分かる。だってずっと誰かに見られているようなそんな感覚に襲われる。頬にほんのり冷たい何かが触れる。気の所為だって分かってる。何もいるはずがないって…いるはずが…。

『ご、ごめんなさい…誰か…助け…て…くだ…さい…』

もし外に誰かいても聞こえないであろうか細い声しか出ない。それでも誰かが来てくれるんじゃないか。あの人達なら見つけてくれるんじゃないか。勝手に外に出て勝手に逃げてきたのに随分と都合の良い奴だなと自分で思った。

『何も見えない…松明…なんで消えてるの…』

ブツブツと呟きながら松明に火がつかないか石を叩いて火花を散らしてみたりする。
全く火がつく気配はない。すると、足音も聞こえていないはずなのに目の前に誰かがいる気配がした。
いや、誰かじゃなくて''何か''なのかもしれない。

『……』

なるべく声を音を出さないように口を手で必死に押さえる。顔を上げるのが怖い。

助けて。

心の中でそう叫んだ。手や足がガクガクと震え出す。得体の知れな気配は依然として目の前にいる。息が苦しい。もうダメだ。

そう思った時奥から足音が聞こえた。助けに来てくれた？という少しの期待とこの目の前のやつの仲間か？という不安を抱きながらじっと耐え続けた。

すると、目の前から気配がしなくなった。恐る恐る顔を上に上げる。暗くてよく分からないが得体の知れない何かを確認する事も気配を察知する事もなかった。

『た、助かった…？』

たがその少しの安堵が一瞬にして地獄に変わった。