【失踪】 ページ32
ut side
窓から射し込む陽の光に目をやられ渋々と起き上がる。
眼鏡をかけ、服を着替える。
うがいをしてから部屋を出る。
皆も起きたらしく大広間へとぞろぞろと向かう。ふと疑問に思ったのがAちゃんが居ないという事である。
「なぁシッマ、Aちゃんどうしてん？」
kn「…さぁ、まだ寝てんちゃう？」
シッマからは意外にも冷たい返事が返ってきた。洞窟探索の後からずっと思ってたがシッマの様子が変だ。それに昨日夜に散歩に行くなんてAちゃんの様子も変だった。
大広間に着き、それぞれが席に座る。
tn「あれAさん居らんやん。」
zm「ほんまやシッマどうしたんや。」
kn「なんで俺やねん…」
sha「シッマがあの子の面倒見る言うて連れてきたんやんかw」
kn「知らん」
食い気味にそう答えるシッマに皆も驚きを隠せない様子だった。
ci「…コネシマさん……もしかしてAさんと何かあったんですか？」
kn「…さぁな」
これは図星だなと思いながら僕は立ち上がり
「僕、Aちゃん起こしてくるよ。」
gr「…頼む。」
そう言い部屋を出た。
Aちゃんの部屋は〜……あった。ここや。
薄ピンク色の羊毛が目印の扉の前に立ち、ノックを2回するも中から返事はない。
「Aちゃん？鬱やけど、そろそろ起きなよ？」
そう問いかけるも返事はない。ぐっすり寝てるのか？いや、中から人の気配がしない。
僕は意を決して扉を開ける。部屋の中はまだほとんど家具は無く、ベッドと電灯、カーペットのみだった。
しかし、ベッドには人の気配もなくこの部屋は無人であった。
やらかした。
僕はそう思った。あの夜散歩に行くって言ってた時からおかしいのには気付いていた。あの夜、後をこっそり着けていれば…。
僕は急いで大広間に戻った。
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作者名：めんつゆ | 作成日時：2020年2月17日 1時
