【d!】死んだと思ったら異世界に行っちゃった。2 (ページ31)

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【家出】ページ31

玄関の扉を開けると涼しい夜風が頬を冷たくする。少しだけ外を歩いてみる。

ひとらんらんさんが作ったという畑
兄さんの作った犬小屋には犬が2匹眠っている
鬱先生が作った見張り台
ゾムさんが作った射的場と訓練場
グルッペンさんが趣味としている爆発物の倉庫
コネシマさんが作った石でできた四角い家
トントンさんが作った家畜小屋
ロボロさんが作った筋トレする場所
ショッピさんが作った釣り場
チーノさんが作った鬱先生の銅像的な何か
しんぺい神さんが作った土で出来た神という文字
エーミールさんが作ったお花畑
シャオロンさんが作ったゾムさんの銅像？
オスマンさんが作った植林場

それぞれが思い思いに作ったと話をしてくれたのはコネシマさんだった。
思い出す度に先程のコネシマさんの表情が思い浮かぶ。

やっぱり…私が危険な目に二度も合わせてしまったから避けられてるのかな…

ぶらぶら何をする訳でもなく、庭を歩き続ける。

あの人達実況者とか言ってたっけ…だったら向こうの世界にファンの人とか居るよね？
私なんかよりずっと帰りたいって願ってるはずなのに…私を不安にさせない様に笑顔で話しかけてくれるなんて…凄く良い人達だな…

どうしてこの世界に来たのかもどうやったら帰れるのかも分からない。
ただここで皆に迷惑をかけるぐらいなら死んだ方がマシ。どうせ向こうの世界に帰ってもやる事なんてないし楽しい事なんてない。

『ごめんなさい…』

そう一言だけ呟いて私は門から外へ出た。
トントンさんやコネシマさん、ゾムさん達から「夜の外はモンスターうじゃうじゃ居って危険やから絶対1人で出たらあかんで？」って言われてたけど…。

丸腰で外に出たものだからモンスターとまともに戦えない。だから隠れて移動する。
草陰や木の影に隠れながら森を抜ける道を探す。

『あれは…』

少し先にほんのり明るい場所があった。そこはさっき探索をしていた洞窟の入口だった。
ここで朝を待とう。そう決め、中に入り朝が来るまで待った。