【d!】死んだと思ったら異世界に行っちゃった。2 (ページ49)

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【恐怖感】ページ49

you side
ゾムさんに拠点へと運ばれる最中に皆と合流した。その中にはコネシマさんもいた。
私は一刻も早く謝りたかった。あれほど私を大切に思ってくれてちゃんとこの世界の事も何から何まで教えてもらったのになんて失礼な態度を取ってしまったのかとずっと後悔していた。

ゾムさんの背中から降り、まだ痛む体を引きずりながらコネシマさんに近づく。
コネシマさんは苦しい様な苦い物を食べた子供のように顔を顰めていた。そりゃそうだ。こんな見苦しい傷。

少し歩けば転けそうになった。思わず目を瞑ったが、コネシマさんに支えられた。
恥ずかしさで顔が火照り、脈が速くなるのが分かった。

『あの…コネシマさん…ごめんなさい。私あれだけ出ちゃダメって言われてたの………に………』

途中まで言うとコネシマさんに抱き締められた。何が起こったのか一瞬分からず今も頭の中が真っ白になっている。

コネシマさんは何も言わない。周りの皆も何も言わずにただ眺めていた。コネシマさんに抱き締められている恥ずかしさと皆に見られているという恥ずかしさが何とも言えない気持ちとなって襲いかかってくる。

鼓動が速い。全身が熱い。どうしようどうしたらいい？の言葉ばかりがずっと頭の中を巡っている。
するとコネシマさんは小さな声で呟いた。

kn「……ほんまに…無事で…良かった…」

その言葉を聞いた瞬間に自分の中にいた重苦しい感情がフッと消えた気がした。
その瞬間、目からとめどなく涙が溢れ出した。

『……ｳｩ…ごめん…なさいｯ……こわ……ﾋｯｸ……こわかった……』

本当は夜一人で飛び出した時からずっと不安で怖くて仕方がなかった。
そう呟くとコネシマさんはより一層抱き締める力を強くした。ズキズキと痛む身体にさらに痛みが加わるとそんな事気にならないほどだった。

si「…こういう状況で言うの申し訳ないんだけどコネシマの腕とか顔に血がついてるの感染してしまう事もあるから洗ってからにして欲しいなぁ～？」

しんぺい神さんの言葉に救われた。どうするべきか本当に迷ってしまっていたから。
コネシマさんはしんぺい神さんの声に顔を上げ、私から身体を離す。
乾いたと思った血がコネシマさんの顔や腕についてしまっていた。

ut「あっちの方川あったから洗ってきなよ。」

si「…Aさんの傷の手当も早くしたい所だけど洗ってまずある程度の汚れ落とさないとね。」

kn「じゃあ行ってくるわ。行こうかAさん。」

『あ、はい。』