月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ16)

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楽屋の外で行われている他の演者さんのワイワイとした声を聞きながら
今度出演が決まっているバラエティ番組のアンケートを記入する。

コミュ力ある人はいいなあ、なんて思いながら。

アンケートを書き進めていくと今回のドラマが恋愛ものということもあり
恋愛に関する質問が多かった。

『理想のタイプは？』

理想のタイプ、かぁ。
中学生の時はデビューして、すぐに撮影した
CMのおかげで色々とテレビ番組に呼んでもらうこともあった。

中学校は休みがちになり、周りが恋愛でキャーキャー言ってるとき
私は毎日のお仕事をこなすことに必死になっていた。

高校生になると仕事が激減し、いいか悪いか高校に行ける日も多かった。
正直芸能のお仕事をしているというだけで告白されることも少なくなかった。
恋愛未経験の私でも物珍しさから声を掛けられている、というのくらい分かる。

親友にも、彼氏ができた。
彼氏との惚気話をする親友の可愛い顔を見て、少しだけ憧れた。

声を掛けてくれた人と付き合ったこともあった。
好きになろうと努力したけど、全然好きになれなかった。
とってもとっても優しくてこの世界に入ってるから好きじゃないんだよと
何回も伝えてくれる人だった。

私のことしか考えずに行動してくれるような優しい、人だった。
だけど、3か月経って優しい人とは別れた。
最後の最後まで優しすぎるひとだった。全く好きにはなれなかったけど。

はぁ、と思わずため息がでた。
恋愛ものには最近よく出演させてもらってるけど実際の自分は
恋愛の超初心者すぎて何かなぁって感じだ。

その恋愛？を最後に私は恋愛をしていない。
いつかできればとは思ってるけど、今はお仕事が大事だ。

アンケートには理想のタイプを優しい人と書いた。
当たり障りないし、優しくない人を好きにはなれない。

他の質問も考えながら書き進める。
色々考えて、最後に理想のタイプを書き足した。

―――――くだらないことが好きな人、と。
くだらないことで笑えるって大事だと思ったから。