月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ17)

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アンケートを書き終えると、ひと息つく。
もうすぐ私の出番だったっけ。

頭の中で今日のシーンを思い浮かべる。
今日の撮影は作間くんとではないらしい。

作間くんが多忙で少し遅れて来るとのこと。
さすがジャニーズだなんて思ったり。

ドラマはストーリー通りには撮らない。
今日は光と、同じ大学の彼氏とのシーン。

初っ端から重いシーンだよ、本当。
このドラマの監督はクレイジーすぎる。
すこし心の中で悪態をつくと、
工藤さんが私を呼びに来る。

「A、もう少しで撮影よ。」

は～い、と間延びした返事をしながら
気持ちを作る。
私は、光。駿の幼馴染。

.
.
.

「"…駿…。”」

気付いてしまった駿への想いに
どうしようもできない光。

光の想いに気付いてはいるけど
光を手放したくない彼氏。

「"……ごめんなさい……。私…好きな人が…”」

強い力で抱きしめられる。
涙が止まらない光。

実際こんな恋愛はしたことがないのに
感情移入が止まらない。涙が溢れてくる。

「"…っ駿…！”」

カット！！！と言う声が響き、
スタッフさんが駆け寄ってくる。

メイクを直してもらっていると、
横目で作間くんがいることに気付く。

いつからいたんだろう。
私の演技見てたのかな。

途端に恥ずかしくなる。
メイク直しを終えて監督を見ると
一発OKのサイン。白い歯を見せて笑っていた。

作間くんはというと、ポーカフェイスだ。
感情が読み取れない。

真っ直ぐな目をして、どこかを見つめていた。