8話 ページ8
私は自分のお弁当を食べながら、雪に話しかけた。今日の朝礼で発覚した、四日後にこの会社に訪れる一大イベントについて。
「そういえば、雪。
「うんうん分かる!でも、その休暇入れるのって、今日から
「だから皆死にもの狂いで書類処理してるよねー。まあ、雪は楽勝でしょ?」
「Aちゃんもでしょ、それは」
なんと、明明後日から一週間の休暇が貰えるのだ。なんてこの会社はホワイト企業。勿論、誰でもOKな訳ではなく、今日から休暇前日までの三日間を残業無しで帰れた人のみ。こう思うと、昨日遅くまで残業して良かった。
「お互い頑張ろうね。私は自堕落に過ごす一週間を手に入れたい……!」
「あはは、頑張ろ!私はAちゃんと時々遊ぶ一週間を
手に入れたいなあ」
そうやって雑談を楽しんでいる内に昼休みは終わってしまった。この会社にいる全員が一週間の休みが欲しいので、物凄い勢いでパソコンのキーボードを叩く音が響く。いつもはもっと雑談やら何やらで、ゆるーい雰囲気でやっているのに、今だけは空気が張り詰めている。
これは私も頑張らなくては。そう意気込んだ時、昨日飽きるほど聞いた男の声が鼓膜を揺らした。
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作者名:梅干し茶漬け | 作成日時:2021年8月11日 20時