吸血鬼な6人と生贄な少女【騎士A 】 (ページ28)

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昨日は令嬢さんが晩御飯までいたから、私は本当に一日中部屋で過ごしていた
ご飯も部屋で1人

前までは当たり前だったのに、今では少し寂しいかった

今日はご令嬢も帰ったから少しは平穏に過ごせる

2人とはもうちょっと喋りたかったけど……

「そうだわ、A！これ、ラピリス家の令嬢さんから預かったわ。貴方達知り合いだったのね」

はい、と手紙を渡される
手紙には

【Aへ
今日はあまり喋れなくて残念だったわ
今度、ピリアと一緒に首都へお出掛けするの
来れるのなら明後日噴水の前で待っているわ
ティーナより】

滅茶苦茶行きたい！
たまにはいいよね？

「それにしても、どうしたの皆。婚約を保留にするなんて……」

そ「……すみません。」

「いいわよ謝らなくてっ！ただ、全員保留にするとは思わなくて、ねぇ」

どういうこと？
全員婚約を保留にした……？

確かティーナさんとピリアさんは断るって言ってたけど……

皆での食事が終わり、自由時間になった

そして突然ばぁうくんが口を開く

ば「お前、あいつらと知り合いだったんだな」

貴「あ、うん。昨日たまたま会ってね……」

そんなに気になる？

でも平民と貴族が知り合いってことはあんまりないか……

し「手紙の内容は？」

貴「え、っと。今度遊ぼって」

手紙の内容とか言っていいのかな？

でも、どのみち遊びに行けば知られるし
時間の問題か

ゆ「……行くの？」

貴「う、うん。誘われたから……」

……尋問されてる雰囲気
怖いよ

ま「いつ？」

貴「明後日……」

て「何時？」

貴「多分、午前中かな」

そ「因みにどこ集合？」

貴「首都の真ん中にある大きい噴水」

本当に尋問されてる気分

なにこの空気
暗いし、なんか怖いし

貴「着いてくるなんて事ないよね？」

まさかね、まさか

でもここまで聞かれると疑うしかないし

ば「……行かないっていう選択肢は？」

貴「ないよ」

なんなら直接約束しちゃってるし
引くにも引けない

ゆ「行かないでよ……？」

貴「っ、……行くよ」

だからこの子犬みたいな目に弱いんだよ……!！

でも、負けない
今回は行くって決めたから

貴「ごめん。今日はちょっと部屋に戻るね」

さすがにこの空気感に耐えられない

今日は、休もう

部屋に向かおうと進める足

だけど突然後ろから

「あの女……」

誰の声かは分からない
だけど振り返りたくない

なんか、怖いよ……