吸血鬼な6人と生贄な少女【騎士A 】 (ページ15)

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扉を開けてこちらを見ているそうまくんがいた

そ「ごめん。勉強しようと思って……。邪魔だった？」

貴「あ、いや全然！私は本読んでるだけだし……」

勉強か……
そうまくんは努力家だな～

でも

貴方「休まなくて大丈夫なの？」

そ「いや……うん、大丈夫！俺は勉強しないとだから」

絶対平気じゃないし何か隠してる……
ちょっと気になる

貴「じゃあ、私も一緒に勉強していいかな？」

そ「え、……うん。いいよ」

ゆきむらくんには悪いけど、静かに離れる
今日は握られてなかったから安全に離れられた

ゆきむらくんは、ぱたりとクッションに倒れる

気持ち良さそうに寝てるなぁ

科学の本を手にとってそうまくんの隣に座る
そうまくんは公民を勉強してるみたい

1時間経過

目が疲れてきて本から目を離す

隣ではまだ勉強をしているそうまくんがいた

……そうだ、思いきって聞いてみよう

貴「……ねぇ、なんで勉強をしてるの？」

そ「え、なんでって……俺が次期当主になるから……かな？」

そっか、当主には色々必要だもんね

だから沢山勉強するのか

そ「……ごめん。ちょっと愚痴聞いてくれる？」

貴「、？いいよ」

静かに耳を傾ける
なんか最近相談にのってばっかりかも

そ「俺、本当は長男なんか辞めたいんだ。このまま、大人になれば、俺が俺じゃなくなる気がして……。

……はは、ごめん意味分かんないよね」

少しぎこちなく笑うそうまくん

俺が俺じゃなくなる、か……

そ「……皆は俺自身を見てくれないんだ。
みんなが見てる俺は、次期当主の俺だけ。俺(そうま)の価値はそれだけなんだよ」

私なんて当主もなにもない一般家庭に生まれてきたから、そういう苦労は分かんないけど……

そうまくんが壊れかけてるのはわかる

貴「今、私の前で喋ってるのは本当のそうまくん？」

そ「え、」

正直本当の自分とか、違う自分とかは分からない
けど、

貴「私ね、弱音を吐くのは仕方ないと思うの
吸血鬼だってロボットじゃないんだから感情はあるよね

だからさ、この世には完璧なんてないんだよ。
弱音を吐かずに頑張るそうまくんも皆を見ててちゃんとお兄ちゃんをしているそうまくんも貴方だけ

私はそういうのを引っくるめてそうまくんが大好きだよ！

……ごめん。意味分かんないよね……！」

自分でも意味分からない
けど、今言えるのは

貴「だからさ、私の前だけでもいいから素のそうまくんでいて……」